7月26日、支配下昇格を勝ち取った巨人の田中豊樹が、同日のヤクルト戦(神宮)で即“デビュー”を果たした。
日本ハム在籍時の2018年5月19日以来の一軍マウンドは、ユニフォームが間に合わず、育成契約時の「018」のままだったが、9回1イニングを打者3人、無失点で締め、安どの表情を浮かべた。
田中は16年に日本文理大からドラフト5位で日本ハムへ入団。新人年から3シーズンで一軍31試合(すべてリリーフ)に登板したが、昨季は一軍登板なしに終わり(二軍では31試合に登板)、10月1日に戦力外通告を受けた。その後、12球団合同トライアウトを受験。巨人と育成契約を結び、今季は二軍開幕からクローザーを任されて10試合に登板、1勝3セーブ、防御率1.93、17奪三振(奪三振率は16.39)を記録するなど、結果を残していた。
今季育成からの昇格は4人目で、支配下選手はこれで69人。残り2枠のうち、1枠を最速157キロ右腕に割いたわけだが、中継ぎ陣を強化したいチーム事情もあり、その期待の高さは「ジャイアンツにとっては69番目(の支配下登録選手)ですから。非常に大事な1枠を彼に使ったわけですから、期待というのはそこで理解してくれるといいですね」との
原辰徳監督のコメントからも見て取れる。
背番号も昨年は
上原浩治、18年までは
菅野智之が背負っていた「19」に決定。空き番号はほかにもあったが、「宮本(和知)投手コーチと話をして『もう苦労人だよ、いい番号をあげてくれ』ということで」と原監督。これには驚いたという田中だが、「一軍の戦力になれるように、全力で頑張ります」と活躍を誓う。
背番号「19」のユニフォームで、次はどんなピッチングを見せてくれるだろうか。
文=坂本匠 写真=榎本郁也