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工藤公康、和田一浩…西武からFA移籍した後も活躍した選手は?

 

 西武は、FAで他球団に移籍した選手の数が17人と12球団最多だ。移籍した選手の中には、西武時代のような輝きを放つことができなかった選手も多い。しかし、反対に他チームでも主力としてプレーし、西武在籍時と同等かそれ以上の成績を残した選手もいる。今回は、そうした「西武からFA移籍した後も活躍した選手」をまとめてみた。

西武を離れた後も実力を発揮できた選手は少なく……


ダイエー・工藤公康


 FA制度がスタートして2年目の1994年オフに西武からダイエーにFA移籍したのが、エースの一人だった工藤公康。西武時代は最優秀防御率を3度獲得と活躍したが、ダイエー移籍後も同じく最優秀防御率や最多奪三振のタイトルを獲得。1999年にはリーグMVPにも選ばれ、西武時代とそん色のない活躍を見せた。

●西武時代の成績
310試合、113勝52敗3セーブ、防御率3.14

●ダイエー時代の成績
119試合、49勝37敗、防御率3.18


 和田一浩は、西武時代は2005年に首位打者と最多安打のタイトルを獲得し、毎シーズン、リーグトップの打撃成績を残していた選手。2007年オフに中日に移籍するが、移籍後も主力として活躍した。特に圧巻だったのが2010年。144試合に出場して打率.339、37本塁打、93打点の成績で自身初のリーグMVPに選ばれた。西武を離れた後は不振に陥る打者も多いが、和田は西武時代と変わらない輝きを放った。

●西武時代の成績
958試合、1032安打177本塁打543打点、打率.317

●中日時代の成績
1010試合、1018安打142本塁打538打点、打率.290

 過去にFA移籍した選手で、西武時代に匹敵、または上回るような成績を残したのは実はこの2人のみ。例えば1996年オフに巨人にFA移籍して注目された清原和博は、巨人1年目の1997年は前年を上回る32本塁打、95打点と好成績を残すも、以降は度重なるケガが原因で満足にプレーできず。西武時代には在籍11年で329本塁打を放ったが、巨人では9年間で185本だった。

 西武時代には沢村賞を獲得するなど、エースとして活躍した涌井秀章も、2013年オフにFA移籍したロッテでは145試合で48勝55敗と負け越している。2015年は最多勝を獲得するも、在籍6年でシーズン勝ち越しは2度しかなく、期待どおりの活躍ができたとは言い難い。

 ほかにも豊田清片岡治大といった西武で主力としてプレーした選手がFA移籍をしているが、残念ながら移籍先では目立った成績を残すことはできなかった。


 そう考えると、楽天加入1年目の昨季に33本塁打を放ち、チームをけん引した浅村栄斗の活躍は「貴重な例」だといえる。今季も32試合を終えた時点で打率.297(リーグ7位)、11本塁打(リーグ1位)、38打点(リーグ1位)と絶好調で、120試合しかないものの、キャリアハイの成績を残す可能性もある。

 また、ロッテを経て楽天に加入した涌井も今季は5戦4勝で負けなしと、かつての調子を取り戻しつつある。ほかにも巨人には炭谷銀仁朗野上亮磨という西武からFA加入した2人加え、MLB挑戦後にオリックスを経由して入団した中島宏之もいる。

 今季は、こうした西武を離れた選手がどのような活躍を見せるのかに注目するのも面白いだろう。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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