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巨人・高梨雄平の活躍ぶりに、他球団から「やられた」の声が

 


 首位を快走する巨人で不可欠な戦力になっているのがセットアッパーの高梨雄平だ。7月14日に高田萌生との交換トレードで移籍すると、9試合連続無失点で3ホールドをマーク。守護神・デラロサが左ワキ腹肉離れで7月6日に登録抹消されて苦しいブルペン事情だったが、高梨が「勝利の方程式」で使えるメドが立ったことで、中川皓太を安心して抑えに固定できるようになった。

 移籍後本拠地初登板となった7月28日のDeNA戦(東京ドーム)では1点リードの8回でエース・菅野智之を救援して1回無失点。お立ち台で「高梨でーす!」と叫び、「サイコーです!」満面の笑みを浮かべた。「昔からテレビをつけたら巨人の試合がやっていて、好きな球団で試合ができています。とにかく一人ひとり打ち取れるように、腕を振っていきます」と誓い、巨人ファンのハートをがっちりつかんだ。

 ただ、この活躍に驚きはない。楽天に入団した1年目の2017年から3年連続40試合以上登板し、18年には球団史上最多の70試合に登板。プロ通算防御率1.90と驚異的な安定感を誇る。ところが、今年は開幕一軍入りを逃すとファーム暮らしが続いていた。左のサイドと変則のフォームであることから、左キラーのイメージが抱かれるが決してそうではない。対右打者の被打率を見ると、17年が.260、18年が.265だったが、昨年は.190と改善。対左打者の打率.233と右打者の方が抑えていた。

 あるセ・リーグの球団フロントは「高梨は右打者にでも十分通用します。制球がいいし、フォーク、カットボール、カーブと変化球の質も良い。球の出どころが見えにくいし、あの軌道に慣れないとなかなか打てない」と分析する。巨人のトレード巧者ぶりを見せつけられ、「ウチに限らずどこの球団も高梨は調査していたと思います。ケガでなければ二軍にいる投手じゃないですから。実際に巨人にトレードが決まったときはやられたと思いましたよ……」と苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。

 タフネスぶりには定評があり、28歳とまだ若い。肩関節の柔らかさを生み出す独特のトレーニング法や野球理論は他の選手にも大きなプラスアルファになるだろう。シーズン前は想像すらできなかったが、「巨人の高梨雄平」が2年連続リーグ優勝に向けて大きなピースになることは間違いない。

写真=BBM
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