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グラシアル、則本昂大、安田尚憲… パ・リーグ6球団「中盤戦キーマン」は?

 

福岡ソフトバンクホークス



 松田宣浩やW.バレンティンといった現有戦力の巻き返しにも期待したいところだが、チームの雰囲気をガラリと変えてくれそうなのが、7月19日にようやくキューバから再来日したA.デスパイネとY.グラシアルの2選手だ。自宅待機期間経過後、ファームで調整する予定だった彼らだが、チーム内に新型コロナウイルス感染者が出たことで急遽予定変更。一軍遠征地の仙台にやってきて、8月5日から試合前の練習に参加していた。自粛期間空けということもあり、特段調整を急がせることはないが、現状のコンディションを首脳陣がチェックできたことは大きい。打撃練習ではそろってサク越えも放っていた2選手。一軍OKとなれば、豪快なスイングで、チームの勢いをリーグVへ加速してくれるはずだ。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 7月3日のロッテ戦(楽天生命パーク)で3勝目を挙げて以来、1カ月以上、白星から遠ざかっている。17日の西武戦(同)で5回10安打5失点、24日のオリックス戦(同)で8回途中10安打6失点、31日のロッテ戦(ZOZOマリン)で6回途中6安打5失点と苦しい投球が続き、3連敗を喫した。オリックス戦後の「粘り切れず、我慢し切れなかった」というコメントが、エースの苦悩を表していた。それでも復調への兆しはある。8月7日のソフトバンク戦(楽天生命パーク)では初回に上林誠知柳田悠岐に連続被弾も、以降は6回まで1失点と粘投し、7回の逆転劇につなげた。先発陣では涌井秀章が開幕6連勝とけん引中。それでも、勝負どころの中盤戦ではエースの力が絶対に欠かせない。

千葉ロッテマリーンズ


ロッテ・安田尚憲


 四番起用に応え続けられるか。開幕直後は三番や五番を任されていた安田尚憲だが、打率1割台と低迷して苦しんでいた。そんな中、井口資仁監督が7月21日から四番に抜てき。すると、四番出場18試合で13打点と勝負強さが光っている。同期間のチーム成績も9勝8敗1分で勝ち越し、平均得点も約4.5点と、期待の高卒3年目が打線を鼓舞。三塁守備も安定して「四番・三塁」に定着しつつある。シーズン中盤から終盤にかけ、上位争いが激しさを増す中でも、存在感を示せるか。安田のバットに期待がかかる。

北海道日本ハムファイターズ



 打者では清宮幸太郎、ピッチャーではこの男が波に乗れずに苦しんでいる。チームの絶対的エースである有原航平。ここまで8試合に登板して1勝5敗、防御率4.82。昨季15勝をマークして最多勝のタイトルを獲得し、オフにはポスティングでのメジャー挑戦の夢も口にした。そのためにも2020年は圧倒的な成績を残して、チームをけん引するはずだったが……苦難のスタートとなった。ボール自体は一級品だが、今季は変化球を要所で痛打されている場面が目立つ。相手チームも研究を重ねてきているのは間違いないが、有原の最大の武器はやっぱり最速155キロを誇るストレート。真っすぐあってこその変化球だけに、原点回帰が巻き返しへの近道とも言える。混戦パ・リーグを勝ち抜くためにも、エースの復活は欠かせない。

埼玉西武ライオンズ


西武・森友哉


 3連覇を狙うチームに暗雲が漂っている。投打がかみ合わずに8月10日現在、5位に沈む西武。借金5は辻発彦監督政権下では最多の数字だ。チーム防御率4.56はリーグ最下位。勝ちパターンのリリーフ陣に改善の兆しがみられていたが、先発陣は昨季に続き、苦しい状況が続いている。昨季までなら投手陣を打撃陣がカバーして勝利を拾ってきたが、今季は秋山翔吾が抜けた穴があり、さらに主力が本調子と程遠いのが痛い。キーマンとなる選手は多々いるが、そのなかでも森友哉の復調がカギを握るのではないか。昨季の首位打者も今季は打率.236。守りでも精彩を欠く場面が増えた。森が攻守で真価を発揮しなければチームの浮上は遠のくばかりだ。

オリックス・バファローズ


オリックス・ジョーンズ


 リーグ2位タイのチーム打率.246を残しているものの、得点数はリーグ最下位の160。好機をモノにできない打線の象徴が四番に座る新助っ人・ジョーンズでもある。コンスタントに安打は放っているものの、得点圏打率.261では勝利を呼び込めない。8月8日のロッテ戦(京セラドーム)の途中から体調不良を訴えて交代し、翌日の同戦ではベンチから外れた背番号10。復帰後は“ここぞの場面”での一打を放てるか。対戦カードも一回りしただけに、本領発揮といきたいところ。四番のバットが火を噴けば、チームに勢いが生まれるのは間違いない。

写真=BBM
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