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1971年ドラフト会議、ビッグ3の行方は?/週べ回顧1971年編

 

 一昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

直前に三沢が中日入り


表紙は左から阪神江夏豊田淵幸一


 今回は『1971年12月6日号』。定価は100円。

 ドラフト会議直前、江津工高から新日鉄広畑に進んでいた三沢淳中日入団が決まった。
 三沢は前年秋、高校在学中に中日に3位指名されたが、拒否し、新日鉄に入社した右のアンダースロー。この夏の都市対抗では小野賞に輝いている。
 中日が1年間の交渉期限ぎりぎりで獲得となった。
 社会人はシーズン中のプロとの交渉を禁じ、11月1日から解禁。19日がドラフト会議だから、かなりの短期決戦だった。
 新日鉄広畑は中日のスカウトがこの期限前に三沢の実家に通い、家族を口説いたのはおかしいと激怒していたようだ。

 この年のドラフト会議ではBIG3と呼ばれた松下勝実(慶大)、井上圭一(三菱重工川崎)、山本和行(亜大)が注目。ただ、全体に小粒と言われ、「唯一の大物」とも言われていたのが、松下勝実だった。
 松下は六大学で2度の首位打者に輝いたスラッガーだが、プロ拒否を明言し、すでに松下電器への就職が内定していた。
 三沢の例もあり、どこかが強行指名するのでは、の声もあったが、結局、どこも手を出さなかった。

 イの一番のロッテが指名したのは、前年東映2位に指名されて拒否していた井上圭一。前年は、「東映だけは行きたくない。それに僕はうちのチームを優勝させたい夢がある」
 と語っていたが、今度も
「ロッテも同じです。プロ入りはしません」
 と話した。
 ただ、ロッテの田丸スカウトが三菱川崎の富田監督の恩師とあって、こちらはいずれ翻意するだろうと言われていた。

 BIG3最後の一人、亜大・山本和行は阪神。郷土の広島が第一希望だったようだが、
「プロに行くなら巨人以外のセ・リーグのチームが希望。どうせなら巨人をやっつける立場に回りたい」 
 と話していただけに入団は間違いないようだ。

 阪神が2位の「中村勝広」の名前を「中村裕二」と書き間違え、この名前の選手が法大の捕手でいたので、すぐ修正。書き間違えはロッテ、大洋でもあったという。
 
 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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