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秋山翔吾、柳田悠岐を参考にする“若獅子スラッガー”西武・高木渉

 


 松井裕樹が投じた外角への145キロ直球をとらえた打球が右前ではずんだ。8月13日の楽天戦(メットライフ)。「一番・中堅」でスタメン出場した西武の高木渉がプロ3年目でうれしいプロ初安打をマークした。「抜けてくれ! と思いながら一塁まで走りました。いいところに飛んだのは分かっていたので、打球の行方もしっかりと見ることができました」と笑顔を見せた高木は7回には二死一塁から右中間へ適時三塁打も放った。「打ったのはチェンジアップです。外角の球でしたが、打った感触も良く芯を食っていたので、よく伸びてくれました。これからも自分の持ち味を発揮できるよう頑張っていきます」。プロ初スタメンでマルチ安打をマーク。昨季は1打席だけ経験して二ゴロに終わっていた一軍の舞台で、大きな可能性の一端を示した。

 2018年、真颯館高から育成ドラフト1位で入団。同年、二軍で打率.278、6本塁打、24打点を挙げて、オフに支配下へ昇格した。翌年も二軍でチーム1位タイの12本塁打をマーク。ドラフト同期野手では一番乗りとなる一軍デビューも果たした。今季は二軍で主に三番を打ち、打率.266、7本塁打、14打点。嶋重宣二軍打撃コーチが「自覚が見えるし、やる気、意識も感じる。すべてにおいて大人になったなと思う」と高評価するように、さらに大きく羽ばたき、8月11日に一軍昇格を果たした。

 高木が参考にしている打者は秋山翔吾(レッズ)と柳田悠岐ソフトバンク)だという。「2人はタイプが違うと思いますが、それぞれの足の上げ方、タイミングの取り方などを参考にして、自分に合った形を探していこうとしている段階。やっぱり、外野手の間を強い当たりで抜いていく打球を打ちたいです」

 課題は守備だ。13日の試合では初回、打球判断を誤り、先制点を与えてしまった。ただ、「初回の守備で與座さんに迷惑をかけてしまい、何とかそれを取り返そうと必死でした。ミスはしてしまいましたが、しっかり打席では気持ちを切り替えられたのは良かったと思います」と精神的な強さはある。翌日の同カードでも3安打2打点。16日に右足首痛のため登録抹消となってしまったが、将来が楽しみな若獅子が現れたのは間違いない。

文=小林光男 写真=BBM
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