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セ・リーグ6球団 「先発投手」事情は?

 

読売ジャイアンツ



 開幕から先発ローテーションを守っているのは、菅野智之C.C.メルセデス、戸郷翔征の3人のみ。菅野は無傷の7連勝中と完全復活を遂げ、高卒プロ2年目・戸郷の5勝は期待以上の働きか。開幕時点ではこれにA.サンチェス田口麗斗桜井俊貴の6人で先発ローテを組んだが、現在はサンチェスが右肩違和感で、桜井は安定感に欠き、二軍調整中。田口は約1カ月の二軍暮らしから戻るも、以降1勝2敗とまだ本来のデキではない。現在は5番手に畠世周が抜擢も、信頼を勝ち得たとはいえず、6番手に至っては、オープナーでまかなうことも。連覇と日本一奪回のためにも今後は固定、日替わり問わず、5、6番手の働きが課題となる。

横浜DeNAベイスターズ



 開幕投手の今永昇太を筆頭に、今季は5連勝中の大貫晋一、開幕から8試合連続QSの平良拳太郎が先発ローテをしっかりと支えてきた。ここにベテランの井納翔一、4年目の濱口遥大が加わり、リーグでもトップクラスの安定感を誇っていた。しかし、順調に見えた先発陣にここ1週間で暗雲が立ち込めた。井納、濱口が立て続けにKOされると、今永、平良も大量失点で負け投手に。さらに、8月16日にはエースの今永が左肩違和感のために抹消される事態に陥った。ラミレス監督は今永の二軍落ちを「軽傷」と強調するが、チームには大きな痛手だ。今永の代わりには、助っ人右腕のピープルズが一軍再昇格する見込みだ。

阪神タイガース



 頭数だけならほかの球団がうらやむくらいだ。現在は西勇輝、青柳晃洋、秋山拓巳ガルシア高橋遥人藤浪晋太郎の6人できっちり回っている。もともとの構想ではここにガンケルが入る予定だったが、現在は中継ぎへ。また、当初先発ローテーションに入っていた岩貞祐太も中継ぎに配置転換となった。誤算はガルシアか。開幕から先発8試合目にしてようやく初勝利。また6番手がなかなか勝てない。開幕当初は中田賢一が務めたが1勝もできず、また藤浪も4連敗。この2枚が勝ち初めるとチームは上昇気流に乗るはずだ。ここまでの勝ち頭は青柳の5勝で投球内容も安定している。また完全復活を目指す秋山も4勝(1敗)と貢献している。ただ、エース・西勇が、3勝3敗というのは寂しい。

東京ヤクルトスワローズ



 開幕投手の石川雅規が上半身のコンディション不良で二軍降格し、開幕先発ローテーション入りを果たしたイノーアスアレスの両助っ人右腕も二軍再調整。開幕先発ローテは完全に崩れている。開幕2戦目に先発し、高津臣吾監督に初勝利をもたらした小川泰弘は、8月15日のDeNA戦(横浜)でノーヒットノーランを達成するなど、開幕以来土曜日のローテーションを守っているが、小川以外でローテを守っているのは高梨裕稔のみ。高橋奎二原樹理、ルーキーの吉田大喜も一時的にローテ入りしているが、なかなか勝利につなげられず、心もとないのが現状だ。

中日ドラゴンズ



 開幕から先発ローテーションを守っているのはエースの大野雄大ひとり。7試合目にしての今季初勝利は遅すぎたが、投手陣の中心はやはりこの男だ。2番手の柳裕也、左右のエースに続く2年目の梅津晃大で開幕当初は3本柱を形成していたが、ともに故障で大きな誤算となった。3年目の飛躍が期待された山本拓実も中継ぎへ配置転換。投手王国復活の夢は早々に崩れた。しかし、その穴を埋めるべく活躍したのが、松葉貴大であり、勝野昌慶であり、福谷浩司だ。育成上がりのヤリエル・ロドリゲスまでチャンスをつかんだのはうれしい誤算。あとはここから誰が生き残るかのサバイバルレースとなる。

広島東洋カープ



 広島は、昨年実績を残した大瀬良大地、K.ジョンソン、九里亜蓮床田寛樹野村祐輔の5人に、ルーキー・森下暢仁と今季から先発転向の遠藤淳志の7投手をローテーション要員としてシーズンに入った。常にこの中から1人、コンディション不良や不調の投手を再調整させることが可能な布陣で、開幕時は右ふくらはぎ故障後だった野村を外し、現在は床田が再調整中。ここまで、遠藤淳志を除く6人が一軍登録を抹消しての調整期間を経ており、今のところ、この方式はうまく回っている。8月17日現在では、大瀬良と森下が4勝ずつで勝ち頭。森下の安定感が光る。K.ジョンソンに勝ち星がないのは誤算だが、シーズン中盤、後半へ、先発陣の余力は十分だ。

写真=BBM
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