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東映・張本勲、巨人に誘われた3カ月の苦悩/週べ回顧1971年編

 

 一昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

あれこれ書かれても気にしない


この写真は1970年のもの


 今回は『1971年12月13日号』。定価は90円。

 東映・張本勲とプロボウラー、須田開代子の対談があった。
 そこで10年目、1968年になるが、巨人への移籍話について語っているので、紹介しよう。

 この年は水原茂監督が退任し、大下弘監督となったが、チームは最下位に低迷。いわば内紛状態にあった。
「東映が負ければ張本が悪いと言われた。心無いファンが張本をやめさせればいいじゃないか、移籍させればいいじゃないかという。新監督も、張本がしっかりしていないから、張本が協力してくれないからいけないんだと言い出した」
 これが7月25日だったというが(なぜか日付を明言していた)、それから東映が必要としないなら出ていこうと思い始めた。
「シーズンが終わって巨人が非常に乗り気だったわけです。それで大川博オーナーのところに行き、いろいろお世話になりました、と切り出した。そうすると、何を言ってるかと怒られた。馬鹿者、お前を出すようだったら99パーセント東映をやめるわい。残り1パーセントは、と言ったら、俺が選手を全員売って東映を解散するときだ、と」
 そのとき張本は何も言わず、部屋を出たが、気持ちは東映をやめるときは、ユニフォームを脱ぐときと思ったという。

 また、週刊誌にあれこれ書かれることについてはこう言っていた。
「これはどうしようもない。腹を立てれば自分が損するわけです。だから読まなければいい」

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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