2019年シーズンは
西武の
森友哉が首位打者を獲得。捕手としては史上4人目となる快挙を成し遂げた。残念ながら今季の森は相手チームの対策が厳しいこともあり、思うような成績を残せていない。では、今季に昨季の森を彷彿とさせる打棒を発揮している捕手はいるのだろうか? 打撃が好調な捕手をピックアップしてみた。
※通算成績は2020年8月18日時点のもの 現在3割超えの打率を残している捕手も……
セ・リーグでは
巨人の
大城卓三、阪神の梅野隆太郎の活躍が目立っている。現在までに39試合に出場している大城は、規定打席未到達ながら打率.288をマーク。また、本塁打もチーム6位タイの5本。バットでもチームに貢献している。
阪神の梅野は46試合に出場して打率.299、3本塁打、19打点と打撃好調だ。打率はリーグ9位。チーム内では、打率1位、本塁打、打点4位と奮闘しており、梅野のバッティングがなければ、チームはさらに下位に沈んでいただろう。
外国人選手として、2000年以来20年ぶりに捕手出場を果たした
中日の
アリエル・マルティネスも打撃に期待できる。現在のところ31試合で71打数21安打、打率.296と3割に近い数字を残している。残念ながら8月10日の試合で負傷して登録抹消となったが、今季の新人王資格も承認されており、早期の復活が期待される。
調子が上がると怖い會澤、今後注目のDeNA・嶺井
打撃絶好調とまではいかないが、広島の會澤翼や
オリックスの
若月健矢は2割台中盤と、下位打線でも侮れない数字を残している。特に會澤は2018年に打率.305、13本塁打という成績を残し、昨季も12本塁打をマーク。リーグでも屈指の「打てる捕手」のため、波に乗れば一気に打率を上げてくるだろう。
また、現在は主に代打としての出場が中心だが、
DeNAの
嶺井博希は今後注目したい存在。力強いバッティングが持ち味の選手だが、これまではなかなか結果に結びつかなかった。しかし、今季は25試合に出場して22打数8安打、打率.364と結果を残しており、この勝負強さを維持すれば、「打てる捕手」に化ける可能性は十分にある。
さて、昨季首位打者になった西武の森だが、今季は47試合で172打数44安打、打率.256と苦しんでいる。
秋山翔吾が抜けた穴が大きく、チームの打撃成績自体が昨年と比べて下降。森もその流れにあらがえず、実力が発揮できていない状況だ。
今シーズン、捕手で目立った打撃成績を残しているのは巨人の大城、阪神の梅野の2人。特に梅野は規定打席到達選手の中で9位と好調だ。セ・リーグでは2012年の
阿部慎之助以来となる捕手による首位打者は難しいかもしれないが、今後の活躍を期待したい。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM