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2005年以降、チーム打率トップでも優勝できなかったチームは?

 

 今シーズンのセ・リーグで打線好調なのがDeNA広島の2チーム。共に打撃ランキングに上位に複数の選手がランクインしており、DeNAはチーム打率.273でリーグトップ、広島も.268でDeNAに次ぐ数字だ。しかし、チーム順位はDeNAが2位で広島はなんと最下位。現在はチーム打率3位タイの巨人が首位を独走しており、このままでは「チーム打率トップでも優勝できない」という可能性もある。では、現在のチーム体制となった2005年以降、チーム打率がリーグトップにも関わらず、優勝できなかった例は何度あるのだろうか?

巨人は3度、打率1位で優勝に輝く


原巨人は07、09、13年とチーム打率1位で優勝を果たす(右は楽天星野仙一監督)


 2005〜2019年シーズンまでの、チーム打撃トップだったチームとその年の最終順位を以下にまとめてみた。

●2005年
セ・リーグ ヤクルト(チーム打率.276)⇒4位
パ・リーグ ロッテ(チーム打率.282)⇒1位

●2006年
セ・リーグ 中日(チーム打率.270)⇒1位
パ・リーグ 西武(チーム打率.275)⇒2位

●2007年
セ・リーグ 巨人(チーム打率.276)⇒1位
パ・リーグ ソフトバンク(チーム打率.267)⇒3位

●2008年
セ・リーグ 広島(チーム打率.271)⇒4位
パ・リーグ 楽天(チーム打率.272)⇒5位

●2009年
セ・リーグ 巨人(チーム打率.275)⇒1位
パ・リーグ 日本ハム(チーム打率.278)⇒1位

●2010年
セ・リーグ 阪神(チーム打率.290)⇒2位
パ・リーグ ロッテ(チーム打率.275)⇒3位

●2011年
セ・リーグ 阪神(チーム打率.255)⇒4位
パ・リーグ ソフトバンク(チーム打率.267)⇒1位

●2012年
セ・リーグ ヤクルト(チーム打率.260)⇒3位
パ・リーグ ロッテ(チーム打率.257)⇒5位

●2013年
セ・リーグ 巨人、DeNA(チーム打率.276)⇒巨人1位、DeNA5位 ※同率トップ
パ・リーグ ソフトバンク(チーム打率.274)⇒4位

●2014年
セ・リーグ ヤクルト(チーム打率.279)⇒6位
パ・リーグ ソフトバンク(チーム打率.280)⇒1位

●2015年
セ・リーグ ヤクルト(チーム打率.257)⇒1位
パ・リーグ ソフトバンク(チーム打率.267)⇒1位

●2016年
セ・リーグ 広島(チーム打率.272)⇒1位
パ・リーグ 日本ハム(チーム打率.266)⇒1位

●2017年
セ・リーグ 広島(チーム打率.273)⇒1位
パ・リーグ 西武(チーム打率.264)⇒2位

●2018年
セ・リーグ ヤクルト(チーム打率.266)⇒2位
パ・リーグ 西武(チーム打率.273)⇒1位

●2019年
セ・リーグ 中日(チーム打率.263)⇒5位
パ・リーグ 西武(チーム打率.265)⇒1位

 チーム打率リーグトップだったチームの最終順位をまとめると以下のようになる。

1位 15回
2位 4回
3位 3回
4位 4回
5位 4回
6位 1回

 順位ごとに見た場合は、チーム打率トップのチームが1位となった例は15回と最多。しかし、2位以下を全て合計すると16回で、僅差ではあるが、チーム打率トップながら1位になれなかった例の方が上回った。圧倒的な攻撃力を持っていても、1位を逃すことは珍しくないようだ。

中には最強の打撃陣を持ちながら最下位になった例も


 特に厳しかったのが2014年のヤクルト。リーグトップの攻撃力を誇りながら投手陣が壊滅し、なんと最下位に沈んでいる。1位になるためには、当然ながら攻撃力だけでなく投手力も必要ということだ。

 ちなみに、チーム打率がリーグ最下位でも1位になった例が2005年以降で1度だけある。それが2011年の中日だ。この年は、チーム打率リーグトップの阪神は4位、2位の広島も5位に沈んでいる。そんな中で1位になった中日のチーム打率はなんと.228。ぶっちぎりのリーグ最下位。しかし、リーグトップの投手力と守備力で何度も接戦をモノにし、リーグ優勝を成し遂げた。得点力があるに越したことはないが、低い打撃力を補って余りある投手力があれば、上位に進出できる可能性もあるのだ。

 2020年シーズンは、セ・リーグのトップを走る巨人が打線の軸となる坂本勇人丸佳浩の2人が不振に陥っており、その影響もあるのかチーム打率は.250でリーグ3位タイ。しかし、チーム防御率はリーグトップの3.17と優秀で、打てない試合でもうまく勝ちを拾っている。チーム打撃リーグトップのDeNAもチーム防御率は3.56でリーグ2位と頑張ってはいるが、大事な試合を落とすことも多く、なかなか巨人の背中が見えてこない。まだ今シーズンは半分以上残っているが、果たしてリーグトップの攻撃力を持つチームは1位になれるのか、今後の展開に注目だ。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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