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盤石なのはどこ? セ・リーグ6球団「クローザー」事情は?

 

読売ジャイアンツ


巨人・R.デラロサ


 昨季途中加入で8セーブを挙げたR.デラロサが今季も引き続きクローザーを務め、原辰徳監督ら首脳陣から絶大な信頼を寄せられている。ただ、開幕から4セーブを立て続けに稼いだものの、7月5日の登板中に左ワキ腹肉離れを発症。約1カ月間の離脱中はセットアッパーの中川皓太が代理を務めて5セーブを挙げている。そのデラロサは8月16日に一軍実戦復帰を果たし、20日の阪神戦(東京ドーム)で復帰後初セーブをマーク。ここまで8試合に登板して失点はわずかに1と、安定感のあるパフォーマンスを見せている。

横浜DeNAベイスターズ



 3年連続のセーブ王を狙う山崎康晃をクローザーに置き、9回は万全の状態で開幕を迎えたはずだった。しかし、27歳の守護神は序盤から調子が上がらず、立て続けにセーブに失敗。7月末、ラミレス監督は山崎を中継ぎに配置展開する決断を下した。代役クローザーに指名された三嶋一輝は、キャリア初の守護神のポジションで躍動。7月に2セーブ、8月も23日現在、5セーブをマークし、ここまで7セーブを挙げている。とはいえ、あくまでこれは暫定措置。指揮官は「優勝するためにはヤスがクローザーでなければならない」と山崎の復調を待っている。

中日ドラゴンズ



 与田ドラゴンズ2年目の2020年、指揮官がクローザーに指名したのは岡田俊哉だった。プロ11年目の左腕はヤクルトとの開幕カード3連戦(神宮)で2セーブを挙げて上々のスタートを切ったものの、その後は不安定な投球が続き、中継ぎへ配置転換。代役となったのは来日4年目の助っ人右腕、R.マルティネスだ。もちろん誤算ではあったが、想定内でもあった。岡田が不調、あるいは疲労が見えた場合はR.マルティネスと決めていた。いわばダブルストッパー態勢。そしてそのR.マルティネスがクローザーとして抜群の安定感を見せている。8月23日現在、8セーブはリーグ2位。竜の守護神として立ちはだかっている。

阪神タイガース


阪神・スアレス


 開幕当初は昨年に引き続き藤川球児がクローザーを務めた。しかし、調整不足もあり、打ち込まれる試合が続き二軍降格。セットアッパーとして安定感のある投球を続けていたロベルト・スアレスが、抑えに抜てきされることとなる。150キロ後半の真っすぐを武器に、打者を打ち取り、8月23日現在、リーグトップタイの9セーブを挙げている。抑えとして経験が浅いこともあり、最終回を三者凡退であっさり抑えることは希だが、それでもしっかりと抑え込みチームに勝利をもたらす、阪神には欠かせないクローザーだ。

東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト・石山泰稚


ヤクルトは2018年からクローザーを務める石山泰稚が、今季も9回のマウンドに立っている。最近はリードしたシチュエーションがなかなかないため登板機会も少ないが、8月23日現在、リーグトップタイの9セーブを挙げている。シーズン序盤は精彩を欠いたシーンもあり、不安視されたが、7月以降の安定感は抜群。先発陣が不安定だけに、早めに継投に切り替える傾向にある。その分、8回を担う清水昇と石山で形成する勝利の方程式は、現役時代守護神として黄金時代を支えてきた高津臣吾監督の信頼も厚い。

広島東洋カープ


広島フランスア(左。右は會澤翼


 開幕時点のテイラー・スコットから菊池保則一岡竜司と、クローザーに指名した投手が次から次へと逃げ切りに失敗、迷走を続けた広島のクローザーだが、7月29日の中日戦(マツダ広島)から8月23日の巨人戦(マツダ広島)にかけてヘロニモ・フランスアが6セーブを挙げ、ここにきてようやく落ち着いてきた。フランスアは、開幕前から開幕当初にかけては調子が上がっていなかったが、もともと昨年後半はクローザーとして機能していた投手。8月23日の巨人戦でも最後は満塁のピンチを招くなど、まだまだ完全な出来とは言えないが、チームとしてはここに頼っていくほかに選択肢はない。同日現在、13試合連続無失点を継続中。何とかいい状態を長く保ってほしいところだ。

写真=BBM
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