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2ストライク時に打率.374! 異次元だった85年のロッテ・落合博満

 


 ロッテ時代の落合博満に関して対戦相手にインタビューを行うため、あらためて当時の記録を調べてみると、そのすさまじさにあらためて驚嘆した。1985年、落合は2度目の三冠王を獲得。このときの数字は打率.367、52本塁打、146打点。82年、初めて三冠王に輝いたが、打率325、32本塁打、99打点の数字に対して「物足りない」とケチをつける声が多く悔しい思いをしていたが、それを発奮材料にして3年後にハイレベルな数字での“トリプルクラウン”を達成した。

 169安打を放ち、四死球は104、出塁率は.481までに達していた。さらに長距離砲でありながら三振はわずか40。三振率(三振÷打席数)はわずかに.070だ。ちなみに昨季、パ・リーグの規定打席以上で最も三振率が低かったのは内川聖一ソフトバンク)の.092(535打席49三振)だった。

 得点圏打率は.492。恐ろしいまでの勝負強さも誇ったが、詳細は以下だ。

・二塁  打率.400(30打数12安打、4本塁打、14打点)
・一二塁 打率.441(34打数15安打、6本塁打、24打点)
・三塁  打率.600(15打数9安打、2本塁打、13打点)
・一三塁 打率.655(29打数19安打、4本塁打、32打点)
・二三塁 打率.600(5打数3安打、0本塁打、7打点)
・満塁  打率.222(9打数2安打、0本塁打、8打点)

 満塁では意外と打率が低いが、三塁にランナーがいて、一塁が空いていれば勝負を避けたほうがいいと思わせる数字が並ぶ。

 もっと驚いたのが2ストライク時の成績だ。

・0ストライク 打率.453(75打数34安打、9本塁打、35打点)
・1ストライク 打率.324(182打数59安打、21本塁打、49打点)
・2ストライク 打率.374(203打数76安打、22本塁打、62打点)

 追い込まれてもまったく苦にしないどころか、1ストライク時よりも成績がいい。86年、シーズン最高打率.389をマークしたランディ・バース阪神)でさえ、その年の2ストライク時の打率は.277(184打数51安打、13本塁打、34打点)だったから、落合の成績の特異さが分かる。あらためて言うまでもないが、85年の落合は異次元の打者だった。

文=小林光男 写真=BBM
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