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小林誠司、平田良介、ジョンソン…セ・リーグ6球団 今季の「誤算」は?

 

読売ジャイアンツ



 不運な離脱となってしまった。阪神との今季の開幕カードで1戦目、3戦目に先発出場した捕手の小林誠司だったが、3戦目の第3打席に死球を受け、左尺骨を骨折。開幕からわずか2試合の出場で戦列を離れることに。昨季は3捕手が併用される中でチーム内最多の68試合で先発マスクをかぶるなど、投手陣からの信頼も厚い女房役(途中出場を含めると91試合)。今季オープン戦では打率.333を残し、課題とされてきた打撃面でも期待されていた。8月31日時点ではまだ二軍で調整中だが、すでに実戦復帰は果たしており、一日も早い一軍復帰が待たれる。

横浜DeNAベイスターズ



 2年目の今季、伊藤裕季也はキャンプから首脳陣の大きな期待を集めるも、オープン戦で結果が残すことができずに開幕一軍入りを逃した。持ち前の長打を生かすために内野守備を磨いてきたが、二遊間は大和ソトに加えて、柴田竜拓倉本寿彦も打撃好調。三塁は宮崎敏郎が不動で、一軍のカベは高い。しかしながら、伊藤裕は下を向くことなくファームで必死のアピールを続ける。8月29日のイースタン・日本ハム戦(鎌ケ谷)では吉田輝星からバックスクリーンへ勝ち越し弾。8月31日現在、二軍では39試合に出場し、打率.272、5本塁打、17打点5とまずまずの成績。打線の起爆剤には、うってつけの24歳だ。

阪神タイガース


阪神・藤川球児


 昨季の防御率は1.01とほぼ完ぺきなリリーフで強力中継ぎ陣の一角を担っていた岩崎優。当然今季も7回を任せられる存在だと思われていた。しかし、2月の春季キャンプで右足の張りを訴え離脱。6月の開幕に何とか間に合ったが、開幕戦で逆転弾を浴び敗戦投手に。その後、左ヒジに張りを訴え二軍に降格。ここに昨日、現役引退を表明した藤川球児も調整不足で戦線を離れており、強力中継ぎ陣を支えた2人が離脱するという大誤算になった。その後、岩崎は8月12日一軍復帰。だが、28日の広島戦(マツダ広島)では9回にサヨナラ打を浴びるなど、いまだにピリッとした投球ができていないのが現状だ。

中日ドラゴンズ



 プロ15年目のベテランが不振にあえいでいる。開幕スタメンこそ二番に座ったものの、一向に調子が上がらず、やがて二軍行きとなった。チームには少ない長距離砲。右打ちもうまく、守備の評価も高い。実績十分のレギュラー選手だが、身長にも及ばない打率.164では仕方のないことだった。チームは最下位に転落もしたが、平田が二番で機能していればどうだったか……。約1カ月に及んだファームでの成績は33打数12安打の打率.364。まだまだ本調子とは言えないが、最悪の状態からは脱している。ふたたび帰ってきた一軍でどれだけの成績を残せるか。平田の完全復活はチーム浮上には欠かせない。

広島東洋カープ


広島・ジョンソン


 エースの大瀬良大地と「左右の両輪」を形成するはずだったクリス・ジョンソンがおかしい。8月終了現在で勝利なしの6敗、防御率は5.66だ。開幕から続く不調に、首脳陣は7月後半にはいったんファームに落として再調整をさせたり、ずっとコンビを組んできた石原慶幸とのバッテリーを復活させたりするなど、あの手この手を使ってきた。ここ3試合ほどはようやく良化の兆しを見せてはいるが、それでも勝利が遠い。実績十分の投手だけに、一つきっかけをつかめば連勝に転じることも不可能ではない気もするが……。とにかく、早い段階でまず1勝を手にして、落ち着いた精神状態で投げられる形を作りたいところだ。

東京ヤクルトスワローズ



 不調だった山田哲人雄平が調子を取り戻し、上半身のコンディション不良で離脱していた中村悠平も復帰した。野手は、開幕前から予定していた戦力が整いつつある。ある意味では開幕前からの“予想どおり”ではあるのだが、やはり投手陣が不安定だ。その中でも現在の勝ちパターンとなっている8回・清水昇、9回・石山泰稚の2人は盤石ながら、7回を投げる中継ぎがいない。本来ならマクガフ、梅野雄吾が入るはずだが、失点を繰り返して“勝利の方程式”から外れてしまった。先発陣が毎試合で7回を投げ切れることも少ないため、試合終盤をより強固にするマクガフらの奮起が待たれる。

写真=BBM
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