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清宮幸太郎、ジョーンズ、福田秀平…パ・リーグ6球団 今季の「誤算」は?

 

北海道日本ハムファイターズ



 プロ3年目を迎えた清宮幸太郎が殻を破れず、もがき苦しんでいる。8月31日現在、45試合に出場するも打率.181、4本塁打、12打点。得点圏打率も.176とまったく機能していない。それでも栗山英樹監督は辛抱強く、覚醒を待ち続けているが……ファーストの守備でもリーグワーストの6失策と期待に応えられずにいる。最大のウイークポイントであるアウトコースの沈む変化球にも苦慮し、この課題を克服しなければ成績アップは難しい。歴代最多となる高校通算111本塁打を放った怪物スラッガー。その力はこんなものではないはずであり、後半戦では周囲を見返すような倍返しの逆襲を見たい。

オリックス・バファローズ



 メジャー通算282本塁打を誇り“大物”と期待されたが、開幕から精彩を欠いた。四番に座り続けてコンスタントに安打こそ放つも、打点を挙げられず。外野守備に不安もあって指名打者での起用やベンチスタートになることも増えていった。それでも、徐々に輝きを取り戻しつつある。中嶋聡監督代行となった8月21日の西武戦(京セラドーム)からの3連戦では、3試合連続弾を含む4本塁打、8打点と大当たり。30日のロッテ戦(京セラドーム)でも10号3ランを放つなど、長打も飛び出すようになった。後半戦は、チームを勝利に導く一打を多く放ちたい。吉田正尚が好調を維持しているだけに、助っ人砲の復調は、チームの得点力に直結する。

千葉ロッテマリーンズ


ロッテ・福田秀平


 まずは万全の状態にすることだ。ソフトバンクからFA加入した福田秀平が開幕戦の試合後に右の肩甲骨骨折が判明して早々に離脱。7月23日に荻野貴司の故障離脱に代わって一軍復帰以降、なかなか調子が上がらなかったものの8月25日の楽天戦(楽天生命パーク)で3安打2打点と復調傾向にあった。が、29日に右恥骨筋損傷で再び登録抹消。俊足巧打、さらに一発も秘めるリードオフマンとして大きな期待を寄せられた背番号7だが、打率.218、3本塁打、0盗塁と本来の力を発揮できず。全治は1〜2週間の見込みだが、早期復帰よりも、万全の状態で今後こそ本領発揮といきたいところ。チームに優勝経験者が少ないだけに、シーズン最終盤、V争いを演じる中で戦力となりたい。

福岡ソフトバンクホークス


ソフトバンク・バレンティン


 パ・リーグ投手陣は思ったよりも手強かった。日本球界10年目、NPB通算288ホーマーの大砲とあって、移籍先でもその爆発力が期待されていたW.バレンティン。A.デスパイネ、Y.グラシアルのキューバコンビを欠いていたこともあって、開幕から四番に座った。だが、なかなか調子が上がらず、打率1割台から抜け出せなくなると、クリーンアップをも外れるように。打席増を狙いとした二番起用という工藤公康監督の“荒療治”も功を奏さなかった。開幕直後のインコース攻めに打撃フォームを崩されると、今度は外角攻めにシフトした他球団バッテリーの思惑にハマり、まったくバットにボールが当たらない。これには、ついに指揮官もファーム調整を命じるしかなかった。ただ、入れ替わる形で昇格したデスパイネが左ヒザの違和感で離脱となっただけに、背番号4の早期復調が待望される。

東北楽天ゴールデンイーグルス


楽天・岸孝之


 ロッテから新たに加入した涌井秀章が開幕8連勝をマークし、エース・則本昂大も一時は3連敗と苦しみながら5勝をマーク。ここにもう一人いれば……と思わせるのが岸孝之だ。3月のオープン戦期間中に腰の違和感で離脱し、6月の開幕には間に合わなかった。シーズン途中に先発ローテに復帰したが、3試合で1勝0敗も防御率7.30と精彩を欠いていた。「彼の本来の状態にはほど遠い」と伊藤智仁投手チーフコーチは語り、7月20日に出場選手登録を抹消された。8月30日のイースタン・巨人戦(森林どり泉)に先発し、4回1安打無失点も60球で交代。先発三本柱がそろうにはもう少し時間が必要か。

埼玉西武ライオンズ


西武・今井達也


 今季は先発の柱となり、エースへの足掛かりとするシーズンになるはずだった。開幕前の実戦で圧巻の投球内容を見せ、辻発彦監督も「非常に安定している」と目を細めていた今井達也。しかし、今季初登板となった6月24日のソフトバンク戦(メットライフ)で6回2/3を7失点と崩れると、不安定な投球が続いた。6試合に先発して2勝を挙げるも防御率6.25で、中継ぎで再生を図ることに。だが、リリーフでも制球を乱すことが多く、なかなか投球内容が向上しない。8月26日の日本ハム戦(メットライフ)では右打者に対して3死球を与えると翌日、二軍落ち。今季も先発陣が崩壊気味だが、今井の出来がそれを象徴している。

写真=BBM
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