今シーズンは
巨人の
岡本和真、
ヤクルトの
村上宗隆など、各チームの四番打者の活躍が目立つ。そのため、各打撃タイトルを四番打者で分け合うという可能性も十分に考えられる。今回は、現在の成績やタイトル獲得の可能性など、各チームの四番打者の現状をまとめてみた。
各チームの四番打者の成績は……
巨人・岡本和真
まずは12球団の現在の「四番打者」と成績をおさらいしよう。
※2020年9月5日終了時点で2試合以上連続して四番起用が続いている選手 ●セ・リーグ
巨人 岡本和真
打率.280、69安打、19本塁打、55打点
阪神 ジェリー・サンズ 打率.278、55安打、15本塁打、47打点
DeNA 佐野恵太 打率.340、87安打、10本塁打、44打点
中日 ダヤン・ビシエド 打率.278、71安打、12本塁打、51打点
広島 鈴木誠也 打率.302、71安打、14本塁打、40打点
ヤクルト 村上宗隆
打率333、78安打、11本塁打、48打点
●パ・リーグ
ソフトバンク ジュリスベル・グラシアル 打率.344、22安打、6本塁打、11打点
ロッテ 安田尚憲 打率.217、45安打、4本塁打、28打点
楽天 鈴木大地 打率.344、93安打、2本塁打、34打点
日本ハム 中田翔 打率.264、63安打、23本塁打、77打点
西武 山川穂高 打率.244、51安打、20本塁打、62打点
オリックス 吉田正尚 打率.374、88安打、9本塁打、42打点
DeNA・佐野恵太
このうち「不動の四番」といえるのは、巨人・岡本、DeNA・佐野、ヤクルト・村上、日本ハム・中田の4人。開幕から2020年9月5日現在まで四番に座り続けている。
ヤクルトの村上は、昨季は36本塁打を記録するも打率は低迷。ところが今季は安打を量産しており現在、打率がリーグ2位で出塁率はリーグトップだ。また、本塁打は1位の岡本に8本差、打点は3位と、これらのタイトルが狙える位置にもつけており、昨年以上の大きな飛躍を見せている。
今季四番に大抜擢されたDeNA・佐野は、その期待に応える成績を残している選手。打率は首位を走り、安打数も87本でトップ。最多安打のタイトルに最も近い存在だ。もう一人の全試合四番打者の巨人・岡本は、本塁打、打点の2部門でリーグトップ。自身初の最多本塁打のタイトル獲得が期待される。
日本ハム・中田翔
日本ハムの不動の四番・中田もリーグトップの23本塁打を放っている。一時独走状態だったが楽天の
浅村栄斗が2本差に迫ってきており、自身初の最多本塁打のタイトル獲得のためにも、奮起したいところだ。
このように、不動の四番全員がなんらかのタイトル争いをリードしているという状況だ。特にセ・リーグは、盗塁を除く打撃4部門すべてで四番打者がトップ。1試合のみ四番を外れている「準・不動の四番」の広島・鈴木、中日・ビシエドもランキング上位に位置しているので、「四番打者が盗塁以外の打撃タイトルを独占」となる可能性は高い。
パ・リーグは上述のように中田が本塁打争いをリードしているが、それ以外のタイトルでは、9月4日まで6試合連続、シーズン通算12度四番を任されているオリックス・吉田が首位打者争いをリード。また、楽天で67試合中63試合で四番に座る浅村、西武で65試合中55試合で四番の西武・山川も本塁打、打点で上位にランクインしている。セ・パともに四番打者が躍動しているのだ。
これほどまでに四番打者が活躍すると、ファンとしては非常に面白い。頼れる四番に打席が回った際はこれまで以上に盛り上がるだろう。シーズンは後半戦に突入するが、果たして終盤にはタイトル争いがどのように変化するのだろうか。変わらず四番が上位をキープしているか、それとも意外な伏兵が台頭するか。今後も見逃せない。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM