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戸郷翔征、佐野恵太、塹江敦哉…セ・リーグ6球団 今季の「若手成長株」は?

 

読売ジャイアンツ



 高卒2年目、20歳の若武者ながら、期待に見事に応えている。開幕から先発ローテーション入りした戸郷翔征は、9月7日時点で10試合に登板、7勝はエース・菅野智之ヤクルト小川泰弘に次ぐセ・リーグのハーラーダービー第3位の好成績だ。新人年の昨季からブレークの兆しはあったが、オフはブルージェイズに移籍した山口俊と自主トレをともにし、その師匠の穴埋め(昨季15勝)を宣言。ここまでの働きは想像以上だ。7勝を挙げながら規定投球回には届いておらず、これまで7回を投げ切ったのが最高と、ここに課題はあるものの、「今は全力で行けるところまで行く」チーム方針。ペナントレースはまだ折り返し地点。果たしてどこまで勝ち星を伸ばせるだろうか。

横浜DeNAベイスターズ



 25歳を若手とするなら、佐野恵太しかいないだろう。今振り返れば、レギュラー経験のない、ドラフト9位入団の若者を「主将」「四番」に大抜擢したラミレス監督の慧眼には驚かされるばかりだ。オープン戦から四番に座り続け、ここまで打率.340、本塁打10、打点44と堂々の数字を残している。特に打率はヤクルト・村上宗隆を抑えて、現在リーディングヒッターに立っている。苦手だった左投手から打率.361と打ちまくっているのが、好結果につながっているようだ。シーズン終了まで四番に噛り付いていけば、結果はおのずと転がりこんでくるだろう。

阪神タイガース



 正二塁手でキャプテンの糸原健斗の故障離脱で、チャンスが巡ってきたのが高卒2年目の19歳、小幡竜平だ。ウエスタンでの成績は、チームトップの打率.277、8盗塁。必然的に一軍に初昇格した。8月22日のヤクルト戦(神宮)で一軍デビューし、26日の中日戦(甲子園)では初スタメンすると以後、ラインアップに名を連ねる機会も多くなっている。広角に放つシュアなバッティングで9月4日の巨人戦(甲子園)では高校時代のライバル・戸郷翔征から決勝打を放つなど活躍中だ。自慢の強肩と守備範囲の広さには定評があるが、12試合で3失策は少し多い。早く一軍の打者のスピードに慣れていきたいところだ。

中日ドラゴンズ



 開幕前は背番号210を着けていた育成選手だったことを考えれば、助っ人とはいえ24歳のアリエル・マルティネスが若手成長株だ。7月1日に支配下登録されると正捕手争いに割って入り、持ち味の打撃で安打を重ねてアピール。長距離砲が不足しているチームにとっては救世主となり、ビシエド不在の試合では四番スタメンも張った。謙虚なカリビアンは「大事なのは試合に出ること。捕手にこだわっていない」と言う。試合中のフルスイングで左手を痛め、8月10日に二軍行きとなったが、まもなく戻ってくるはずだ。ブレークした来日3年目のシーズンを、このまま終わらせるつもりはない。

東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト・清水昇


 2019年ドラフト1位右腕・清水昇の成長が著しい。ルーキーイヤーの昨季は、先発、中継ぎで11試合に登板したが、防御率7.27。“プロの壁”を痛感した。オフの間にコントロールを磨き、持ち味のストレートもキレを増している。中継ぎとして迎えた2年目の今季は、9月7日時点で防御率2.30。18ホールドはリーグトップだ。Bクラスに沈むヤクルトの中だが、清水と石山泰稚で形成する“勝利の方程式”は、屈指の安定感を誇っている。最優秀救援投手のタイトルが視野にあり、新人王の資格も持つ。2年目右腕の快投から、目が離せない。

広島東洋カープ



 広島ではプロ6年目、23歳の塹江敦哉だ。昨年までは実働2年で通算0勝2敗0セーブ0ホールドで防御率6.10。それが今や、抑えのフランスアにつなぐセットアップとなり、9月7日現在で16ホールドポイントはセ・リーグ2位だ(3勝2敗0セーブ13ホールド)。回またぎでの登板もこなすなど、リリーフ陣の中でも最重要ポイントで起用されるようになっている、今季は2敗を喫してはいるが安定感は高く、7月30日から9月6日までは14試合に登板して失点したのは2試合で2点のみだ。勝負どころを多く経験したことで、ピンチでもマウンド上で余裕のある表情が見られるようにもなってきた。あとは1シーズン投げ抜くスタミナが勝負になるか。

写真=BBM
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