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15年ぶりの優勝を狙うロッテに表れる“澤村効果”とは?

 

ブルペンに厚みを


9月8月にオンラインで入団会見を行った澤村拓一。背番号は『57』に


 首位・ソフトバンクと肉薄の2位につけるロッテが果敢に動いた。9月7日に巨人・澤村拓一と、ロッテ・香月一也の交換トレードが両球団から発表。15年ぶりのリーグ優勝を目指すロッテにとっては課題だった救援投手の強化に乗り出した格好だ。“澤村効果”で栄冠をつかみにいく。

逆転Vへ足場を固める。7回・唐川侑己、8回・ハーマン、9回・益田直也の継投は盤石も、当初セットアッパーを務めていたジャクソンの退団もあって、ほかの救援陣は不安定。9月13日時点で今季逆転勝ち22度と競った試合展開が多い今季は、勝ちパターンの投手の登板過多が不安視されていた。ブルペンに厚みを――。そんな思いは当然、フロントも抱いていた。「残り数試合の中で投手力はかなり大事になっていく。実績もあって経験値も高い選手を、と編成の中で動いていた」(松本尚樹球団本部長)。

 白羽の矢が立ったのは、巨人で二、三軍での調整が続いていた澤村拓一だ。巨人も左の長距離砲を欲しており、安田尚憲の台頭で出場機会が減っていた香月一也との交換トレードが成立。9月7日に両球団から発表された。

「チームはとてもいい位置にいる。呼んでいただいた期待に応えたい」

 翌8日の入団会見で、澤村は力強く決意を口にすると、初登板の機会もすぐに訪れた。会見当日の日本ハム戦(ZOZOマリン)、6回表に逆転し、ブルペンカーに乗った澤村が、その裏のマウンドへ。新加入右腕の登場に、観客が沸きに沸くと、あいさつ代わりの快投を披露。最速155キロの直球で空振りやファウルでカウントを奪い、最後はスプリットで圧巻の三者連続三振を奪った。

本気度は増すばかり


8日の入団会見後に即選手登録。同日の日本ハム戦(ZOZOマリン)はユニフォームが間に合わず、福島打撃投手の背番号『106』で初登板を飾った


 獲得即登板は期待の表れ。井口資仁監督も「良いから獲っている」と好投は“当然”と言わんばかりのコメントを残している。

 必要だから獲る――。その姿勢は昨オフから続く。美馬学福田秀平をFAで獲得し、課題の救援陣もハーマン、ジャクソンの両外国人を招き入れ、積極的にストーブリーグに参戦。そして移籍期限が9月30日に迫る中、さらに手を打った。益田の連投日にはハーマンがマウンドに上がるなど、チームの原則は2連投まで。9月に入って益田が3連投を解禁したが、今後は益田の連投次第で、澤村のクローザー器用を井口監督が示唆するなど、優勝へ向けた球団の本気度は増すばかりだ。

“澤村効果”は、もう1つ。チームは15年間優勝から遠ざかり、優勝争いの経験者さえも数えるほど。だが、昨オフに獲得した美馬、福田秀、今年3月に獲得した鳥谷敬、そして澤村と、いずれも優勝経験者だ。澤村の加入で質量ともに厚みを増すブルペンが、逆転Vを手繰り寄せる。

写真=BBM
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