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内野の要の現状は? パ・リーグ6球団「遊撃手」事情

 

埼玉西武ライオンズ



 今季も源田壮亮がライオンズの正遊撃手だ。9月13日現在、呉念庭が8イニングを守った以外はすべて源田がショートの守備に就いている。2017年、トヨタ自動車からドラフト3位で入団。プロ1年目から広い守備範囲と安定した送球で正遊撃手となり、18、19年と2年連続でゴールデン・グラブ賞も獲得。18年にはショートとしてはプロ野球記録となるシーズン526補殺も記録している。12球団No.1ショートの地位も確立したと言えるだろう。ただ、今季はすでに8失策を数えている。1年目から21、11、9と順調に失策数は減ってきたが、今季は再び2ケタ台に乗りそうだ。もちろん、普通の選手なら追いつけない打球に追いついた結果……ということもあるが、もちろん源田は言い訳をしない。これ以上、失策を増やさないように確実な守備を追い求めていく。

福岡ソフトバンクホークス



 内野の要とも言える正遊撃手・今宮健太が、今季は体の不調もあって開幕から休養させながらの起用に。これは首脳陣の戦線離脱だけは避けたいという思いこその対応だったが、その甲斐もむなしく、左ヒラメ筋損傷で8月20日に出場選手登録を抹消。競技復帰までに1カ月半から2カ月弱かかる痛い離脱となってしまった。だが、裏を返せば、若手選手にとってはチャンス。今宮に代わって懸命なプレーを見せるのが川瀬晃だ。オフには今宮とともに自主トレを行う“弟子”は9月14日現在、遊撃のポジションでは18試合にスタメン出場し、そのうち17試合はフルイニング出場。プロ5年目を迎えて、結果にもこだわっていきたい背番号00が、一軍のグラウンドで経験を重ねている。

千葉ロッテマリーンズ



 レギュラー定着と言っていいだろう。9月14日時点で72試合のうち70試合で藤岡裕大が遊撃の位置で先発出場。失策はわずか3と安定した守備でナインを鼓舞している。打っては打率こそ2割台前半ながら、主に下位に打線に座って逆方向に安打を放つなど、打線のつながりを生む堅守巧打の左打者。新人年の2018年に全試合出場を果たした背番号4が、不動の位置を築きつつあるのはチームにとっても好材料だ。センターラインを形成する内野の要が、しっかり定まっていることは、首位争いを演じる中で、安定した戦いが展開できる。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 楽天のショートと言えば茂木栄五郎だったが、今季は様相が変化している。ドラフト1位ルーキー・小深田大翔の台頭が大きい。開幕当初は代走・守備固めが主だった新人内野手は、バットで存在感を示し始めて先発出場が増加。遊撃手の茂木を三塁に、三塁手の鈴木大地を一塁に回す新たなパターンが確立された。もともと脚力とともに堅実な守備を売りにするタイプ。ここまでショートでは守備率.978、3失策で、送球ミスなど課題も見られるが、まずまずの数字を残していると言えそうだ。二塁、三塁もこなせる万能性でもチームに貢献している。

北海道日本ハムファイターズ



 三つ巴の争いになっているのが日本ハムだ。開幕ショートは石井一成でスタートしたが、定位置獲得には至らず、中島卓也との併用へ。2人ともフットワークの軽い守備力には定評があるが、大きな課題はバッティング。9月14日現在、石井が打率.176、中島卓も.204と低迷。そんな中、ショートのレギュラー争いに加わってきたのがプロ5年目の平沼翔太。8月下旬に一軍昇格後は、スタメン出場も増えており、ストロングポイントである広角に打てる打撃で猛アピールしている。元センバツ優勝投手の強肩を生かした守備でも着実な成長を見せ、このまま結果を残せれば一気にポジションを奪う勢いはある。新たなニュースター誕生となるか。

オリックス・バファローズ



 堅守巧打でチームをまとめる安達了一も、2016年に潰瘍性大腸炎を発症して、休養日を設けながらの出場を余儀なくされている。広い守備範囲に、安定感抜群のスローイングは12球団でもトップクラス。それだけにフル出場できないのはチームにとっても痛いが、大城滉二ら若手が代わりに遊撃に入って経験を積んでいる。ファームには太田椋紅林弘太郎といった若手も腕を磨いており、今季32歳の安達の後継者育成も急ぐ。打っても右への軽打に、一発も秘めるなど下位打線に座っても存在感を示す安達も、簡単にレギュラーの座を譲るつもりはない。チームは低迷中だけに、若手の急成長とベテランの意地でチーム力の底上げを図りたい。

写真=BBM
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