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川口和久WEBコラム

バレンティン(ソフトバンク)の攻め方にあらためて感じたセ、パの投手の違い/川口和久WEBコラム

 

本気を出せばと思っているうちに……


表情が暗かったなあ


 ソフトバンクバレンティンが二軍落ちしてから、しばらく経つが、元気でやってるのかな。

 俺は彼がソフトバンクに入るのが決まったとき、これは面白いぞ、と思った。
 外国人枠を外れたことや、今やPayPayドームが非常にホームランが出やすい球場になっていたこともあるし、近年はムラが多くなったが、バレンティンは60本塁打を打った怪物だ。常勝ソフトバンクで戦う緊張感があれば、あのころの凄みが復活する可能性もあるかな、と思った。
 ただ、ヤクルト時代終盤のバレンティンは、はっきり言えば、ダメな若者的思考と言えばいいのかな。打てないときも「俺は本気を出せば、すごいんだぞ!」と思っている雰囲気があった。
 本当はジワジワ年齢が重なり、もっと努力しなきゃいけないのに、なんかのんびりとやっていた。

 ヤクルト時代はそれでもよかった。相手投手にすごかった時代の残像があったし、バレンティン自体も、いい意味で力が抜けているというか、審判をからかったりしながら楽しそうにやっていた。
 それが常勝ソフトバンクに行って、予想どおりの緊張感が生まれたのだが、残念ながら逆効果になったようだ。余所行きの顔になり、打てなかったときの落ち込みっぷりが、叱られた子犬みたいになっていた。

 しかも、セの投手とパの投手では攻めがまったく違う。
 とにかくパの投手はインコース、アウトコースを徹底的に攻めた。ボールの質が強く、しっかり腕も振っていたしね。バレンティンがバットを振らせてもらえず、まったく自分のスイングができず、凡退するシーンを何度も見た。
 対してセの投手は質が低いわけじゃないんだが、バレンティンに対し逃げ腰になる投手がたくさんいた。外一辺倒になって歩かせたり、甘くなった球をやられたり。
 これは60本の怪物の残像もあるかもしれないが、データを重視し、結果を恐れて受け身になっていたセと、結果を出させないぞと、攻め込むパの投手の違いを強く感じた。

 ただ、今のソフトバンクに決定力が足りているわけじゃない。二軍で頭の中をしっかり整理し、リフレッシュしたNEWバレンティンの復活を待ちたいな。

写真=BBM

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週刊ベースボール編集部

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