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川口和久WEBコラム

いよいよアベ政権発足近し! あれ、菅さんじゃないの?/川口和久WEBコラム

 

原辰徳監督の二面性


新旧監督? のツーショット


 原辰徳という男には2つの顔がある。

 普段は普通の明るいおっちゃん。ゴルフが大好きで、冗談もよく言う。
 でも、ユニフォームを着ると、まったく違う顔になる。
 俺はコーチ時代、試合前の監督室に行くとき、いつも緊張した。そこにはゴルフをしているときの“原さん”とは、まったく違う人がいるからだ。

 完全にスイッチが入っている。目がつり上がって鬼の形相だ。時々、黙り込むが、そのときは誰も声を掛けられない。
 たぶん、その日の試合のシミュレーションをしているんだと思っていた。

 試合中、ベンチで笑顔を浮かべることもあるが、これは選手やファンにどう映るかを考えてだろう。たぶん、頭の中は鬼の形相で先を考えている、あの監督室のままだ。

 巨人は今、マジックが出て、ほぼ独走状態となっている。少し足踏みもあったが、ベンチを見ていると、原監督の集中力が途切れているようには見えない。いつも“ここで何をやるのがベストなのか”を模索しているというのかな。それは俺がコーチだったころとまったく変わらない。

 そんな巨人の元木大介ヘッドコーチが離脱し、二軍のゲームがあるにもかかわらず、二軍監督の阿部慎之助を呼び寄せた。
 これが大介の代わりをさせるためだけじゃないのは、みんな分かっているだろう。
 慎之助が、この半年で、どれだけ成長したか、慎之助を監督にしていいのかどうか確認したかったんだと思う。

 ただ、近未来を見据えて、という見方にはちょっと異論がある。
 原監督は本来、来年、慎之助をヘッドコーチにして、その後で禅譲というプランだったと思うが、優勝が確実になったこと、川上哲治さんの通算勝利を超えたこともあって、前倒ししようと思っているんじゃないかな。
 慎之助がまだ勉強不足と判断したら別だけどね。

 負けず嫌いな人だから日本一になれなかったらどうするか分からないけど、すでに巨人の最多勝監督となり、悲願の日本一奪回となれば、もうやり尽くした感もあるだろうしね。
 政界とは逆行するが、俺は原監督が今年で辞め、阿部政権誕生もあると思っている。

写真=BBM
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