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【MLB】パワーヒッターでの成功を目指す筒香の現在地

 

2つ以上のポジションを守れるように対策をしているレイズで筒香もレフトとサードを無難にこなしながら、パワーヒッターとしての成功を目指している



 レイズの筒香嘉智選手は現地時間9月1日現在、今季38試合中26試合に先発し(3試合途中出場)、打率・182、5本塁打、17打点である。目を引くのは打率の低さだ。だがもう20年くらい言われているように、打率は一番重要な指標ではない。

 レイズのチーム打率は.246でア・リーグ7位に過ぎないが、得点191、出塁率.366、四球数159、長打数131個はすべて1位である。筒香はその中で17打点を挙げ、出塁率.311、四球数16、長打数は8個。すごく良いとは言えないが、1年目メジャーにアジャストする段階としては悪くないだろう。

 筒香本人も8月30日「プレーにしろ、アメリカの環境にしろ、1カ月前よりは慣れています。ピッチャーとの間合いが自分の間合いになってきたり、今まで経験した中でのいろんな引き出しが整ってきました」と明かしてくれた。

 8月30日のマーリンズ戦、筒香は初回、19年のオールスター投手・アルカンタラに1ボール2ストライクと追い込まれながら、89マイル(約142キロ)のインコース低めのチェンジアップをとらえた。角度32度、速度105マイル(約168キロ)の打球は右中間のフェンスを超え、人工芝の上で跳ねた。

 第5打席は二塁打、右腕ガルシアの82マイル(約131キロ)の低めのスライダーに反応した。91マイル(約146キロ)のゴロが一塁線を抜けトップスピンがかかり加速していった。筒香は変化球を打つのはうまい。一方で、95マイル以上(約152キロ)の真っすぐは苦手だと言われている。

 確かに今まで70球投じられてストライク42球、ボール28球。打球がフェアゾーンに飛んだのは4度だけ。ファール20球、空振り5回、見逃し13回、ヒットはゼロ。今後どう対処していくかは課題だと思う。

 もっともレイズのシステムの中では打てるタイプの投手と打てないタイプの投手がいても構わない。今まで四、五、六、八番を任され、三、七番の試合もあった。レイズにはマイク・トラウトのようなMVPを取るような中核打者はいない。監督はマッチアップを重視して、常に相手投手の嫌がる打線をフレキシブルに組む。それが成功の秘訣だ。

 そのために同球団では野手が複数のポジションを守れることを望むのだが、筒香はレフトだけでなく、三塁もこなす。開幕前は大丈夫かと危惧する声もあったが、無難にプレーしている。ここまで三塁で5試合に先発、途中から三塁に移動したことが2試合、全部で41イニング守った。ゴロをさばいたのが4回、フライを捕ったのが3回、エラーは一度だけ。4度のゴロは3度が左打者で、シフトで筒香は内野の左側に一人だけだったのだが、打球は不思議なくらい正面に飛ぶ。それを確実に処理する。

 肩は強い。唯一のエラーは8月4日のレッドソックス戦、ショートバウンドのゴロをバックハンドで取ろうとしたが、グラブの下を抜けていった。8月26日のオリオールズ戦は、先頭打者にバント安打を決められた。快足ムリンズはその時点ですでに6個目の成功。このようなタイプは今のMLBではほとんどいない。コンタクトして野手の間を抜くのではなく、フルスイングして遠くに飛ばそうとする。だからデータの指示する場所に立って確実に処理すればいい。

 今後も三塁は務まり、監督がラインナップを組みやすくできるはずだ。

文=奥田秀樹 写真=Getty Images

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