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勝負強いのは……パ・リーグ6球団「チーム打点王」は誰?

 

福岡ソフトバンクホークス



 やはりチームを勢いづけるのは、この男しかいない。昨季はケガの影響で38試合の出場にとどまった柳田悠岐。今季は10月5日現在、欠場わずか1試合と見事な働きっぷりを見せている。攻守走3拍子そろうのが柳田の魅力ながら、群を抜くのはバッティング。7月は驚異の打率4割超え(.433)と打ちまくり、現在も一時期に比べて好不調の波が出てきたとは言え、打率3割を切ることはない。得点圏打率も.356と相手バッテリーの警戒をものともせず、67打点を稼ぐ頼もしき大砲。目標の1つだった全試合出場は逃したが、10月3日の日本ハム戦(PayPayドーム)のお立ち台では「光が見えてきた気がします」と、さらなる活躍を感じさせる言葉を残した。柳田のスイングが、3年ぶりの優勝へ導いてくれるはずだ。

千葉ロッテマリーンズ



 チームトップの24本塁打を記録する一発長打が武器のマーティンが、同トップの62打点をたたき出している。今季のロッテは、四球や足を絡めた攻撃で得点を奪う“3割打者不在の打線”が特徴だが、この男は一振りで決める。本塁打を放った試合は12連勝を記録し、不敗神話が生まれるほど勝負どころでの一発が多い。得点圏打率は.219と低調ながら、62打点を挙げられているのは長打力の賜物だ。また、二番起用もあり、足が武器の一番打者が長駆生還するのも、打点稼ぎの一因だろう。「強打の二番」としても機能する助っ人が、シーズン終盤もポイントゲッターとなり、逆転Vへ導けるか。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 ここまで89打点は中田翔に次ぐリーグ2位の数字で、同トップの29本塁打とともに、2冠王の可能性が高まっている。今季はスタートダッシュに成功した。8月は5本塁打と量産ペースはスローダウンしたが、23打点とこちらはキープ。9月に入ると再び調子を取り戻し、10本塁打、21打点をマークしている。打点の減少は、月間チーム打率.227と打線全体が湿ったことも影響しているのだろう。打順は開幕当初の四番から、現在は三番に定着しており、打点を稼ぐためには前を打つ小深田大翔田中和基らの出塁が不可欠となる。

埼玉西武ライオンズ



 10月5日現在、チームトップの68打点をマークしている山川穂高だが、納得のいかないシーズンを送っている。リーグ5位の23本塁打を放つも、打率は.214と低迷。8月上旬の試合で右足首を痛めた影響もあり状態は悪化。9月は打率.176、4本塁打、12打点と成績を残すことができなかった。四番も外れ、スタメン落ちすることもしばしば。昨季までのリーグ連覇を果たした打線の爆発力を欠いているが、それは山川の不振の影響も大きいだろう。残り試合も少なくなってきたが、せめて来季以降へつながる“何か”をつかみたい。

北海道日本ハムファイターズ


日本ハム・中田翔


「レベチな四番」としてシーズン中盤までは、抜群の勝負強さで打点、本塁打を量産してきた中田翔。90打点はパ・リーグトップの数字であり、2016年以来のタイトル獲得も期待されているが……簡単にはいかなそうだ。9月下旬から調子を落としており、直近の敵地でのソフトバンク戦では3試合で12打数無安打、5三振と大ブレーキ。苦しむ中田のバットと呼応するかのようにチームの借金も今季最多7にふくれあがった。89打点で2位につけるのは大阪桐蔭高の後輩でもある浅村栄斗(楽天)。先輩の意地、そして四番の意地を見せつけられるか。背番号6の奮起が待たれる。

オリックス・バファローズ



 パ・リーグの首位打者をひた走る吉田正尚が、打率、本塁打、打点とチーム三冠の成績で打線を鼓舞している。ただ、打率.357とハイアベレージを残してコンスタントに安打を放っているものの、「長打が少ない」と本人も話すように12本塁打は、やや物足りない。それでも得点圏打率は.364を記録し、9月中旬からは四番起用が続く。背番号34の前に、どれだけ走者を置けるかが、チームの得点力向上のポイントなのは言うまでもない。リーグトップをいく中田翔の90打点とは、34差の56打点。リーグ屈指のバットマンが、打点王争いに加われば、チームも低迷を打破しているはずだ。

写真=BBM
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