週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

パ・リーグ6球団「2017年ドラフト1位入団」の現状は?

 

福岡ソフトバンクホークス



 5球団競合の末、鳴り物入りで入団した田中正義だが、ここまで一軍未勝利。4年目を迎え、いくらドラ1右腕とは言え置かれた立場は厳しいものだ。ルーキーイヤーから右肩の負傷に悩まされ、2年目こそ10試合に登板するも、その後は精神的にも追い込まれ、不振と故障を繰り返す日々。昨オフに参加したプエルトリコでのウインター・リーグで心身ともに成長を見せ、今季こそは活躍が期待されたが、春季キャンプで右ヒジ痛を発症した。10月7日の三軍交流試合・四国IL/徳島戦(タマスタ筑後)でようやく実戦復帰。「時間は取り戻せない。前を向いて投げていきたい」。復帰戦で最速154キロを計時した右腕は今季中に、何か爪痕を残すことができるのだろうか。

千葉ロッテマリーンズ



 創価大・田中正義を抽選外した後の1位指名とはいえ、5球団が競合した佐々木千隼は、1年目の2017年は15試合に先発して4勝(7敗)を挙げた。だが、翌18年に右ヒジを痛めて手術を決断。昨季、故障から復活して2勝を挙げ、以降も安定した投球を続けるも、今季は開幕一軍を逃した。それでも10月6日に初昇格。今季2試合目の救援登板となった10日のソフトバンク戦(PayPayドーム)では被弾するも2三振を奪うなど、力を示している。若手投手も続々と台頭し、今季は同性の佐々木朗希も入団と、ライバルは増えている中で、働き場を得るために奮闘している。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 創価大・田中正義に5球団、明大・柳裕也に2球団が競合する中、楽天は横浜高・藤平尚真の一本釣りに成功。かつて野村克也監督が背負った背番号「19」を与えられるなど、大きな期待を浴びての入団となったが、通算7勝と本領発揮には至っていない。2年目に先発ローテの一角に食い込むも、3年目の昨季は一軍登板わずか3試合にとどまった。今季の一軍初登板初先発は7月26日のオリックス戦(楽天生命パーク)だったが、初回無死二塁から大城滉二へ頭部死球。たった7球で危険球退場となってしまった。汚名返上のチャンスはまだ訪れていないが、このままシーズンを終えるわけにはいかない。

埼玉西武ライオンズ



 作新学院高3年時に夏の甲子園を制覇し、2017年ドラフト1位で西武に入団した今井達也。1年目はケガもあり一軍登板は叶わなかったが、2年目から5勝、7勝と勝ち星はステップアップしてきた。さらなる飛躍が期待された4年目の今季だが、開幕先発ローテーション入りするもフォームが安定せず、開幕から不安定な投球に終始すると先発から中継ぎへ。しかし、新たな役割でも本領を発揮できずに8月27日、二軍へ降格。10月1日に一軍復帰して同日のオリックス戦(京セラドーム)で先発したが、6回途中5失点と結果を出せず。8日のソフトバンク戦(メットライフ)でも3回4失点。試行錯誤は続く。

北海道日本ハムファイターズ



 持っているポテンシャルからすれば、まだまだ物足りない。最速151キロの本格派左腕として入団4年目を迎えた堀瑞輝。昨季は先発、中継ぎで53試合に登板するなどフル回転し、4勝をマークするも防御率は5.22。今季も主に中継ぎで登板を重ねているが、まだ首脳陣の絶対的な信頼を勝ち取るまでには至っていない。それでも全投球の全50パーセント以上を占める自慢のストレートに加え、キレのあるスライダーも一級品。先発、ブルペンともに左腕はコマ不足だけに、堀の存在はチームの大きな希望。次代を担う未完の大器の本格覚醒が待たれる。

オリックス・バファローズ


オリックス・山岡泰輔


 1年目の2017年から開幕先発ローテ入りを果たし、昨季まで3年連続で規定投球回に到達するなど、社会人出の“即戦力”の期待どおり、山岡泰輔は入団年から役割を果たしている。ただ、勝ち星に恵まれないことが多く、昨季の開幕前は「通算の借金をなくしたい」と語っていた。すると、初の2ケタ13勝を挙げ、負け数は4で、勝率第一位投手のタイトルを獲得し、通算成績も28勝27敗と貯金を作った。さらなる飛躍を期した今季は、2年連続の開幕投手を務めたが2戦目で左ワキ腹を痛めて離脱。8月に復帰するも、2勝4敗と負けが先行している。小柄ながら150キロを超える直球に、多彩な変化球を駆使する右腕は、常にチームのことを考えているだけに、今季の残り試合も勝利を目指して腕を振っていく。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング