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あの名助っ人、強打者も記録…珍しい「通算0」の記録とは?

 

 NPB記録というと「歴代最多」「シーズン最多」と「最多」記録が多く並んでいる。では、「通算0」という、まったく正反対の記録にはどのようなものがあるかご存じだだろうか? 今回は、珍しい「通算0」の記録をピックアップして紹介する。

生涯一度も犠打がなかった強打者


阪神(写真)、西武で通算474本塁打をマークした田淵


 阪神、西武で活躍した田淵幸一は、現役生活で一度も「犠打」がなかった選手だ。王貞治も通算12犠打を記録しているように、長打力が特徴の大打者であっても、若手時代などに犠打の機会があるものだ。しかし、田淵は現役16年で一度も犠打をすることなく引退した。ちなみに、現役のスラッガーでは中田翔が現役12年でいまだに犠打が0。仮に中田が犠打をすれば、ちょっとした事件だといえる。

まさかの世界記録樹立


通算573安打を放っている岡田だがスタンドインさせることはできなかった


 通算0記録の中でファンの記憶に新しいのが、元ロッテ岡田幸文が樹立した「生涯通算本塁打0本」だ。岡田はプロ1年目の2009年から2018年までの実働9年間で、なんと1本の本塁打も放つことなく引退している。2011年には全試合出場を果たすなど、俊足巧打、堅守のオールマイティな選手として活躍したにもかかわらず、まったく本塁打は出ず。2014年に1773打席連続無本塁打でNPB記録を更新すると、最終的に世界記録となる2501打席まで数字を伸ばした。

盗塁が1度もなかった巨人の背番号7


巨人、大洋で441試合に出場した大橋


 DeNA宮崎敏郎は、これまでに1度も盗塁を記録したことのない現役選手だ。打力が特徴の選手は犠打だけでなく盗塁を試みないケースは多いが、それでもレギュラークラスの選手で0というのは珍しい。過去の成績をひもとくと、1960年代に巨人でプレーした大橋勲が、現役10年間で一度も盗塁を記録することなく引退している。先述のDeNA・宮崎はプロ8年目。このまま0盗塁が続けば、大橋の10年を超える記録を樹立するかもしれない。

屈指の長距離砲の意外な珍記録


二塁打は通算115本マークしているウッズだが…


 NPBで通算240本塁打をマークし、3度の本塁打王に輝いたタイロン・ウッズは、NPB6年間で1度も三塁打を放っていない選手だ。長距離砲の助っ人は足が遅いことが多いが、ウッズは2008年以外は毎シーズン盗塁を記録しており、体は大きいもののそこまで鈍足ではなかった。実際、韓国リーグ時代は5年間で三塁打を6度記録している。しかし、NPBに移籍してからは、相手が長打を警戒していたこともあり、1度も三塁打を記録することはなかった。

巨人のレジェンド投手が樹立した打者記録


投手としては通算303勝をマークしたスタルヒン


 今シーズン、巨人の菅野智之が快投を見せており、10月6日には巨人史上最多となる開幕13連勝をマークした。菅野以前に巨人の開幕連勝記録を保持していたのが、ヴィクトル・スタルヒンだ。スタルヒンは586試合に登板して303勝をマークした偉大なレジェンドだが、実はバッターとして「1968打席連続生涯無死球」という珍しいNPB記録を持っている。投手の場合は打席に立っても野手と違い、際どいコースに投げられることは少ない。それでも2000打席近く死球なしというのは珍しく、現役最多の172勝を誇る石川でさえ、953打席で2度ぶつけられている。

 珍しい「通算0」の記録を紹介した。上でも紹介したように、日本ハムの中田やDeNAの宮崎といった選手は、今後の成績次第で「0記録」を更新する可能性がある。更新するとしてもまだしばらく先の話になるが、覚えておくと彼らのプレーを見る際の楽しみがひとつ増えるだろう。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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