週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

巨人、優勝目前で小休止? 高橋優貴の復活勝利は光明

 

大きくマジックを減らし、10月20日からの6連戦(前半)での優勝に弾みをつけたかった巨人だが、12日からの7試合は1勝4敗1引分け1雨天中止と、大きく負け越した。独走Vは揺るがないだろうが……。

先週は1勝4敗1分け


左ヒジ痛から一軍復帰2戦目となった10月14日の広島戦(東京ドーム)で今季初先発し、5回1失点で初勝利を挙げた高橋


 まさかの逆転負けとなってしまった。10月18日のDeNA戦(横浜)は7回表の攻撃終了時まで5対0とリードを保っていたが、その裏、先発の畠世周が先頭から3連打を浴びて1点を失ったところで、たまらず原辰徳監督が高梨雄平にスイッチ。ここまで35試合で防御率0.57と抜群の安定感を誇ってきた左腕だったが、無死一、三塁のピンチに代打の代打・伊藤光に適時打を許すと、さらに無死満塁から梶谷隆幸に逆転の満塁本塁打を浴びて呆然。8回には桜井俊貴が反撃の意欲すら削ぐ4失点で大敗(6対10)した。

 逆転のグランドスラムを許した高梨への信頼が揺らぐことはないだろう。指揮官も6回まで2安打無失点と好投していた畠を6回0/3、81球で交代という継投のタイミングと采配を敗因に挙げている。この日まで3連勝と勢いに乗っていた畠は、7回は先頭のロペス相手にど真ん中のスライダーは不用意だったが、6回までは見事な投球で、起用に応えている。

 12日からの7試合は、1試合の雨天中止を挟んで1勝4敗1引きわけと、6戦2勝3敗1引分けだった8月4日〜9日の週以来、10週ぶりの週間負け越し。優勝へのマジックナンバーを1ケタとした中で、V目前によもやの小休止となってしまった。

楽ではない台所事情


 菅野智之の開幕投手からの13連勝が止まるなど、G党にとっては面白くない話題の多かった週ではあるが、その中で高橋優貴の復活勝利は、連覇の先、日本シリーズを見据えても大きなニュースではないか。

 2019年のドラフト1位左腕で新人年に5勝を挙げるなど、今季は先発ローテーションの軸の1人に、と期待されていたが、3月のオープン戦登板直後に左ヒジ痛を発症。リハビリが長引き、10月7日のDeNA戦(東京ドーム)でようやく今季初登板を果たしたばかりだった。この復帰登板で2回2/3を1失点と好投したことで、14日の広島戦(東京ドーム)先発に抜擢。久々の一軍登板に大事を取って5回77球だったが、被安打2、1四球の1失点と試合をつくり、424日ぶりの勝利投手に。指揮官も「少し球数は考えていたんですけど、非常にいいピッチングをしてくれました。良い役割、次(次回以降の登板)への楽しみができたと思います」と、さらなる活躍に期待を寄せた。

 連覇に向けてファイナルカウントダウンに入っているが、先発の台所事情は決して楽ではない。エース・菅野は別格として、高卒2年目の戸郷翔征はここまで8勝を挙げているものの、シーズンの折り返しあたりから疲れが目立ち、9月は月間1勝に終わった。C.C.メルセデスは左ヒジのコンディション不良で抹消中で、田口麗斗はここにきて中継ぎに配置換えとバタバタが続く。10月16日のDeNA戦(横浜)で6回無失点の好投を見せた今村信貴とともに、高橋は先発投手陣の救世主となるかもしれない。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング