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第2の大田泰示? ファーム暮らしも他球団が評価する巨人の「中堅選手」は

 

レギュラー獲りのチャンスも…


2016年、ドラフト2位で早大から巨人に入団して今季で5年目の重信


 首位独走でリーグ優勝が近づいてきた巨人。菅野智之岡本和真ら主力の活躍に加えてトレードで途中加入した高梨雄平ウィーラーが効果的な働きを見せ、ベテランの中島宏之も復活。大城卓三が捕手として大きく飛躍し、増田大輝松原聖弥若林晃弘田中俊太らも与えられた持ち場で輝きを見せている。

 増田、若林、田中は「93年世代」。代打要員の石川慎吾も同世代だ。そして、もう1人同学年の選手がいる。重信慎之介だ。今季は47試合出場で打率.238、1本塁打、6打点、4盗塁。9月12日に登録抹消されると、その後はケガした影響もありファーム暮らしが続いている。俊足巧打のスタイルは右翼の定位置をつかんだ松原と重なるが、完全に水をあけられてしまった。

 他球団の編成は「重信は注視しています。松原が台頭し、若林も内外野守れる。今の巨人で入るポジションがない。決してチャンスがなかったわけではないと思います。だが、身体能力の高さを考えたらもっとできる。日本ハムに移籍した大田泰示のように、トレードで輝く可能性は十分にあると思います」と話す。

 確かに、重信にチャンスがなかったわけではない。原辰徳監督もその素質を高く評価して我慢強く起用していた。17年は74試合出場で10盗塁と主に代走で活躍。打撃が課題だったが、18年は打率.281と前年の.157から大幅にアップ。昨年は自己最多の106試合出場で打率.266、2本塁打、16打点、14盗塁と奮闘した。27歳を迎えた今季。レギュラー獲りが見えていたが、そのチャンスを生かせない。66打席で24三振と粗さが目立つ。チャンスメークが求められる立場だが淡白に見える打席が目立ち結果を残せない。ペナントレースが勝負所を迎えた9月上旬にファーム降格が決まった。
 
 重信と同期入団の宇佐見真吾は日本ハムに移籍後、出場機会を増やして今季は自己最多の70試合に出場している(10月19日現在)。巨人は選手個々の野球人生を大切にして、他球団でチャンスをつかむ可能性がある選手は活躍の場を模索し、積極的にトレードを敢行している。重信が輝くのは巨人か、それとも他球団か。もちろん、トレード先で活躍できる保証もない。27歳は決して若くないだけに、野球人生の正念場を迎えていると言えるだろう。

写真=BBM
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