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オリックス・吉田正尚の高打率と三振少のワケは同じ

 

パの首位打者を走るオリックス吉田正尚。ネクストサークルから投手との対戦は始まっている


 シーズンを通して打ち続けている。パ・リーグの首位打者を走るオリックス・吉田正尚だ。一時は打率4割も見えたものの現在は打率.350を推移しているが、8月9日から2カ月以上も.345を下回っていない。3打数1安打ペースでも、打率.340は維持できないのだから、いかに好不調の波が小さいかが分かるだろう。
 
 安打数も134本とリーグトップ。2冠獲得も視界に入るが、「納得いかない打席がまだあるし、自分の中では『そこそこ』という感じなんですよね」と、本人は決して満足していないから恐れ入る。

「全部の打撃部門でタイトル争いに加わることが個人としての目標。打点や本塁打は数字(61打点、13本塁打)を見ても分かるとおり、まだまだなんです」

 とはいえ“長打を狙う”というわけではない。「自分のスイングができれば、長打になる」が基本の考え。だからこそ「まだ自分のスイングができない打席が多いこと」と言い「ゴロの打球も多いし、打たされている打席もある」と自己分析する。

 それでも、安打を積み重ねているのは明確な意識の賜物だ。ベンチやネクスト・バッターズサークルで、戦況を頭に入れつつ、「前の打者の配球を見たりして」と相手投手の傾向も分析。狙いを定めて2ストライクに追い込まれれば逆方向を意識する。「そうすれば、ボールを長く見ることにもつながる」と話すのは、高打率の要因だけでなく、今季454打席でわずか26という三振数の少なさにもつながっている。

 最下位と苦しむチームに“首位打者獲得”で明るい光を与えたい。そして最終打率は、どれだけに数字を残すのか。残り15試合。最終戦まで背番号34のバットに注目だ。

写真=BBM
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