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メジャー1年目、秋山翔吾に訪れた「革命的な大きな変化」とは

 

メジャー1年目は54試合、打率.245、0本塁打、9打点、出塁率.357に終わった秋山


 打率.245、0本塁打、9打点――。メジャー・リーグ1年目の今季、秋山翔吾(レッズ)が残した数字は決して満足のいくものではなかった。7月下旬の開幕からメジャーの投手が投じる直球の対応に苦慮。あきらかに日本球界より“強い”直球を打ち返そうとすると、無意識のうちに体が前に動き、うまくとらえることができなかった。7月は6試合で打率.267も8月は24試合で.189。西武で首位打者1回、最多安打4回を獲得した安打製造機がまったく実力を発揮できなかった。

 転機が訪れたのは8月下旬だ。それまでは投手が足を上げるのと同時に自身も足を上げていたが、それを投手の足が下がるタイミングで足を上げるように打撃コーチからアドバイスされた。秋山にとって「革命的な大きな変化」という投球へのアプローチの変更が吉と出た。8月29日(現地時間)、メジャーで初めてダルビッシュ有(カブス)と対戦したが、6回の第3打席で155キロの内角高め直球をはじき返して右前打。それまで苦戦していたコースの直球だったが、日本時代も含めてダルビッシュから初安打を放つことができた。

「その打席以降、次の打席につながる、手ごたえのある打席が増えていきました」

 逆方向にも安打が出始め、今まで空振りしていた投球に対してもファウルにできるようになり、“自分で勝ち取った”四球も増えていった。結果、9月は17試合で打率.303、出塁率は.439に達した。

 ただ、来季もこのスタイルを続けるか分からない。9月は打撃成績が向上したとはいえ、ほぼ右投手との対戦。左投手のときは出番が少なかった。本塁打も通算でゼロ。左投手を攻略し、本塁打も打てるところを見せなければレギュラーは勝ち取れない。

「“引き出し”が1つ増えたという感じですね」

 きっと、来季はさらにメジャーの投手に対応する姿を見せてくれるだろう。秋山のメジャー2年目が今から楽しみだ。

文=小林光男 写真=Getty Images
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