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セ・リーグ6球団「今季FA取得選手」の現状は?

 

読売ジャイアンツ



 新規FA資格獲得者は鍵谷陽平のみ。昨季途中に日本ハムよりトレード加入の右腕は、今季もブルペンに欠かせない存在となっている。10月25日時点でチーム最多の44試合に登板し、3勝11ホールドで防御率は3.03。いわゆる勝利の方程式に組み込まれているわけではないが、勝ちパターンで彼らにつなぐ前、もしくは僅差のゲーム展開の中盤から後半に差し掛かる、重要な局面を任されている。イニング途中の登場も多いが、タフにこなす右腕に対しては最大限の評価で流出を阻止すると考えられる。

東京ヤクルトスワローズ



 ヤクルトでは、エース・小川泰弘と、クローザーの石山泰稚、そしてトリプルスリー3度達成の主軸・山田哲人が今季FA権を獲得した。FA権行使を宣言すれば、3人とも争奪戦は必至で、球団は全力で慰留に努めるつもりだ。山田哲は今季、4年ぶりに登録を抹消されることもあるなど、フィジカル面で万全ではなく、盗塁は8にとどまり、12本塁打、打率も.256と本来の姿ではない(10月25日現在)。とはいえ、実績と実力は疑いようがない。山田哲は昨年末の契約更改時に単年契約を結び「(FAを)宣言するかもしれないし、しないかもしれない」と話しており、その去就に注目が集まる。小川と石山も「シーズンが終わってから考えたい」と明言を避けている。

中日ドラゴンズ



 現在12球団の中で最も安定感のある投手だろう。10月22日のDeNA戦(ナゴヤドーム)で今季6度目となる完封勝利で10勝目をマーク。これで45回連続無失点となり、防御率も1.79となった。勝利数こそ開幕13連勝の菅野智之(巨人)に及ばないが、防御率と奪三振数は上回り、沢村賞の可能性も十分だ。最優秀防御率のタイトルを獲得した昨年、シーズンオフに球団から単年と複数年(3年)の契約を提示されている。大野が選んだのは単年。そのときは「(FA権の行使は)分からない」と答えたが、今季の活躍でその価値はさらに高まった。移籍か、残留か。このオフ最大のFA注目選手だ。

広島東洋カープ



 広島では田中広輔が10月8日に国内FA権の資格を得た。2016〜18年のリーグ3連覇をけん引した俊足巧打の遊撃手。ただ昨年は右ヒザを痛めて打率.193と低迷し、8月に手術。今季は定位置を奪回したが、8月末時点まで打率.201と打撃の調子は上がらなかった。9月、10月にようやく調子を取り戻し、3割超の月間打率で10月26日現在、.261まで打率を戻してきたところだ。3連覇のときの状態ならば引く手あまただったろうが、その後の状況を見ると、FA戦線での市場価値がどれぐらいあるかは微妙なところ。もちろん本人の決断次第だが、今季から選手会長に就任していることもあり、このオフに即FA宣言の可能性は高くないと見るが……。

阪神タイガース



 9月に入り月間打率.352と打撃が上向きとなり、10月も25日現在、月間打率.306と好調をキープしている糸井嘉男。10月8日に自身2度目のFA権を取得した。前回はFAで阪神入りし4年契約を結んだが、今季が契約の最終年だ。昨季の10月に左足首を手術し、今季に懸けた。しかし、古傷のヒザの不良により開幕当初はコンディションが上がらなかった。そこをベテランの“経験力”で9月からの上昇気流につなげていた。来季で40歳になるが、もちろん現役続行を希望している。シーズン中だけに、まだその去就が明らかにされていないが来季、阪神で5年目を迎える可能性は高い。

横浜DeNAベイスターズ



 8月に国内FA権を取得した梶谷隆幸の動向に注目が集まる。2014年に盗塁王を獲得するなどチームの成長を支えてきたが、ここ2年はケガもあり出場機会を減らしてきた。しかし、今季は一味違う。オープン戦で結果を残し、「一番・中堅」の座を力でもぎ取ると、シーズンを通してリードオフマンとして頼もしい姿を見せる。3年ぶりの規定打席に乗せ、打率322、48打点、19本塁打、13盗塁。リーグ2位につける打率は、キャリアハイを更新しそうだ。昨季の大幅減俸もあって今季年俸は7400万円。FA宣言するか、どうかは未定ながら、球団はそれなりの金額と条件を提示して引き留めにかかるだろう。

写真=BBM
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