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パ・リーグ6球団「今季FA取得者選手」の現状は?

 

千葉ロッテマリーンズ



 今年9月に巨人からトレード加入した澤村拓一だが、2018年に国内FA権を取得しており、10月17日には海外FA権も取得した。ただ、「ファン、チームメート、スタッフ、球団の皆様に感謝をしています。チームが優勝争いをしていますので、今はそのことしか考えておりません」と当然、現在はシーズンに集中している。ロッテ加入後は15試合登板、計14.2回を投じて19三振を奪うなど、一時の低迷から復活を印象づけている右腕は、防御率は1.23をマークして勝ち継投の一角を担う“8回の男”に君臨。若手主体の投手陣にあって、優勝&日本一の経験を持つ右腕は、マウンド以外でもチームの力になっているだけに、ロッテとしては来季も戦力として期待しているのは間違いない。

福岡ソフトバンクホークス



 近年、柳田悠岐らをはじめFA獲得者に対しては前年の契約更改時に複数年契約を締結するケースも多い。それだけチームに必要だということを示してのこと。昨オフは森唯斗が年俸4億6000万円プラス出来高払い(金額は推定)で4年契約を結んだ。今季もクローザーとして働きっぷりが頼もしい右腕は、史上6人目の『通算100セーブ&通算100ホールド』も達成した。10月8日に国内FA権の資格取得条件を満たすと、「取得できたことは素直にうれしいし、それだけ投げてこられたからだと思う。球団関係者やチームメートに感謝したい」。個人としては、2年ぶりのセーブ王奪取も見えているだけに、これからも献身的に投げ続けていく。

埼玉西武ライオンズ



 7月25日に国内FA権を取得した増田達至。「野球選手としてはうれしいことですが、その先のことは考えていません」とコメントしたが、10月25日現在、43試合に登板し、5勝0敗29セーブ、防御率2.09の守護神がもし、FA宣言をすれば争奪戦となることは間違いないだろう。昨オフの契約更改で球団から複数年契約を提示されたが固辞。「1年1年が勝負。昨シーズン(18年)、不甲斐ない思いをして、1日1日勝負していい結果となった。来シーズン(20年)、1年やらないとFAを取っても意味がないですから」と話していたが、果たして今オフ、背番号14の動向はどうなるか。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 8月24日に国内FA権の資格獲得条件を満たした島内宏明。明大から2012年ドラフト6位で入団して9年目のことだった。「(歴代の)監督、コーチにご指導いただけたことを思い出し、感謝の気持しかない」とコメント。17年に開幕初スタメンを勝ち取ると、左翼手として不動のレギュラーに定着し、全143試合に出場した。体が強く、故障離脱が少ないのが強みだ。19年には史上11人目の全打順本塁打を達成するなど、あらゆる打順で力を発揮し、今季は四番も任された。単年契約で年俸1億円(推定)を提示された昨オフには「逆にいいんですか?」と思ったという無欲の男でもある。FA戦線やマネーゲームには無縁なのかもしれない。

北海道日本ハムファイターズ



 出場選手登録が9年に達し、今シーズン海外FA権を獲得したのが杉谷拳士だ。帝京高から2009年ドラフト6位で日本ハムに入団し、内外野を守れる貴重なユーティリティープレーヤーとして存在感を発揮してきた。今季もスタメンで出る回数は少ないが、不測の事態での代打、守備、また勝負どころのピンチバンターとしても、ベンチの信頼を勝ち取っている。権利の行使については明言していないが、「プロ野球選手として育てていただいた球団には、すごく感謝の気持ちでいっぱいです」とファイターズ愛を吐露。チームとしても長いシーズンを戦い抜く上で必要不可欠な戦力だけに、相思相愛での残留が基本線になりそうだ。

オリックス・バファローズ



 昨年7月に中日からトレード加入した松井雅人が、今年8月に国内FA権を取得。「今まで中日の監督やスタッフの方やオリックスの監督、コーチ、みなさんに感謝したいです」と話し、行使については「考えてなかったので、シーズンが終わってから考えようと思います」とコメント。今季は21試合でマスクをかぶり、9月3日のソフトバンク戦(京セラドーム)では本塁打を放つなど、バットでも存在をアピール。若月健矢伏見寅威が正捕手争いを演じており、さらに頓宮裕真も出場をうかがうなど、捕手層は厚くなりつつあるオリックスだが、経験ある今年33歳を迎えるプロ11年目捕手は大きな戦力。複数年契約は結んでいないだけに、今オフの去就も気になるところだ。

写真=BBM
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