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まさかの名将・鶴岡超え? 監督・工藤公康の勝率は歴代最高を更新するか

 

ソフトバンクを3年ぶりの優勝に導いた工藤監督


 今シーズンのパ・リーグは工藤公康監督率いるソフトバンクがリーグ優勝を果たした。2017年以来、3年ぶりの王座奪還となったが、これまでの監督成績を振り返ると6シーズンで1位3回、2位3回(2020年含む)と圧巻の数字。特に勝率は歴代の名将を超える可能性がある。今回は、圧巻の数字を残している工藤監督の「監督成績」をまとめてみた。

今シーズンもチームは好調でさらに勝率アップ


関東通算最多勝利をマークしている鶴岡監督


 2019年シーズン終了時点での工藤監督の監督通算成績は以下のような数字だった。

試合:715
勝利:425
敗戦:274
引き分け:16
勝率:.608

 通算勝利数は425勝で、現役最多の巨人原辰徳監督の1024勝(2019年シーズン終了時)の半分にも及ばない。歴代の監督ランキングでもTOP30に入らない数字だ。しかし、注目はその勝率だ。現役監督を除いた歴代通算勝率のランキングは以下のようになっている。

1位 鶴岡一人……2994試合/1773勝 勝率.609
2位 川上哲治……1866試合/1066勝 勝率.591
3位 藤田元司……910試合/516勝 勝率.588
4位 水原茂……2782試合/1586勝 勝率.585
5位 森祇晶……1436試合/785勝 勝率.574
6位 落合博満……1150試合/629勝 勝率.562
7位 仰木彬……1856試合/988勝 勝率.548
8位 西本幸雄……2665試合/1384勝 勝率.543
9位 王貞治……2507試合/1315勝 勝率.540
10位 上田利治……2574試合/1322勝 勝率.538
※500試合・500勝以上の監督が対象

 歴代トップはプロ野球史上最多勝監督であり、南海を11度の優勝に導いた鶴岡一人が残した.609だ。これに次ぐのが川上哲治で.591。つまり、工藤公康監督の勝率.608は、そうそうたる名将を抑えて歴代2位。さらには鶴岡監督が残した金字塔ともいえる数字に比肩する成績を残しているのだ。

今季の数字を反映すると……


 とはいえ、上記の工藤監督の数字は2019年終了時のもの。では、現時点(2020年11月1日終了時)での今シーズン成績を反映するとどうなっているのかというと……。

試合:831
勝利:495
敗戦:315
引き分け:21
勝率:.611
※2020年11月1日終了時点

 現時点での勝率は.611でなんと鶴岡超え。この勝率を維持したまま工藤監督があと5勝すれば、上で挙げた500試合・500勝以上を基準にしたランキングでトップに躍り出る。今シーズンは残り4試合で、仮に全敗した場合でも通算勝率は.608まで低下するが、現在のチーム状況を考えると全敗はまずないだろう。それどころかさらに勝率が上がる可能性もある。

2年連続優勝を果たした原監督も高勝率をマークしている


 ちなみに現役最多勝利数の原監督の勝率は、同じく2020年11月1日終了時点で.571(1971試合1089勝)となっており、落合博満を超えて歴代6位。昨シーズン終了時は.570だったので、今シーズンの巨人の躍進で若干勝率がアップしている。

 工藤監督の勝率は現時点で.611と歴代トップの数字。上述のように現在はチーム状態が良く、戦力も充実しており、今季の残り試合はもちろん、来シーズンの快進撃も期待できる。就任から6年間一度もBクラス落ちはなしと、どのようなチーム状況にあっても見事な采配で勝利に導いている工藤監督。今後どれだけ勝率を上げるのか注目したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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