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青学大にとって文字どおり「大一番」となる秋のシーズン最終戦

 

「これが東都。そんなに甘くない」


青学大の151キロ右腕・森圭名は試合の終盤を任され、腕を振っている


 今秋の東都は二部が熱い。

それは、なぜか? 今秋は一部最下位との入れ替え戦は行われず、二部優勝校が一部へ自動昇格するからだ。

 青学大はこの秋、開幕7連勝。勝てば優勝で迎えた国士舘大2回戦(10月25日)で今季初黒星(4対7)を喫した。拓大1回戦(11月4日)は延長11回タイブレークの末に惜敗(4対6)。2014年秋以来の一部復帰を目前にしながら2試合、足踏みした。

 実は昨年も春、秋とも「あと1勝」で二部優勝を逃しており、最後の壁を乗り越える難しさを味わっている。

 拓大1回戦は8回途中から救援した151キロ右腕・森圭名(3年・富山第一高)が、踏ん張ることができなかった。

 Vの可能性を残す日大が1敗した時点で青学大の優勝が決まる星勘定だった。日大は11月4日の専大1回戦で先勝したが、5日の第1試合に組まれた同2回戦で敗退し、青学大の二部リーグ制覇が決まった。仮に日大が連勝していれば(8勝2敗)、第3試合で組まれた青学大は拓大2回戦で勝てば優勝(8勝2敗で日大と同率となるが、当該成績で、青学大は日大に2連勝している)、負ければV逸という状況であった。

 拓大1回戦後、敗戦投手の青学大・森は「他力で優勝しても……。自分たちで勝っていかないと、今後につながらない。4年生は一部でプレーできませんが、一部に昇格した代として送り出したい」と覚悟を語っていた。

 昨年1月から母校を指揮する青学大・安藤寧則監督は、こう言っていた。

「これが、東都。そんなに甘くない。ここを乗り越えない限りは、仮に一部に上がったとしても戦えない。拓大さんは、本気で向かってきている。そこを乗り越えて、勝ちたい」

 つまり、リーグ優勝を遂げたとはいえ、拓大2回戦でしっかり「有終の美」で飾れなければ、2021年春にもつながらないという。

 青学大は東都大学リーグ12度、全日本大学選手権4度の優勝を誇る名門だ。「一部昇格」はあくまでも通過点であり、一部で常に優勝争いをする、本来の姿を取り戻すのが安藤監督に託された仕事。下部組織の二部リーグから脱し「大学日本一」を目指せる一部のステージへ復帰する。青学大にとって、2020年秋のシーズン最終戦は文字どおり「大一番」である。

文=岡本朋祐 写真=大賀章好
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