週刊ベースボールONLINE

編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

投手大量戦力外のヤクルト、来季はどうなる?

 

開幕先発ローテーション入りした山田大も戦力外に


 五十嵐亮太中澤雅人の2投手、捕手の井野卓が現役引退を決意し、7人の投手が戦力外通告を受けたヤクルト。今季加入した右腕・イノーアも退団が決定し、自由契約となっている。

 これで投手だけで10人がチームを去ることになった。10月26日のプロ野球ドラフト会議では、支配下6人、育成で4人を指名したが、育成を全員支配下にしてようやく70人の枠が埋まる(そもそも育成選手は、戦力として“一軍で”活躍できると見なされてから支配下選手になるもので、入団後すぐに支配下昇格とはならないはずだ)。

 さらに、ドラフト指名の投手は育成を含めて5人に終わっている。戦力外通告が行われたのはドラフト後のため、投手が足りなくなるのは承知の上だったはず。12球団ワーストのチーム防御率4.60(11月5日現在)は、最下位に沈んだ要因の一つで、新外国人の獲得や、トレードを含めた他球団からの選手獲得、そして何より、FA権を取得した小川泰弘石山泰稚を引き留めなければ、来季はより少ない頭数で戦わなければならなくなる。最下位からの浮上は、より困難を極めるだろう。

 もちろん、ドラフト1位の木澤尚文(慶大)や、11月10日の広島戦(神宮)で一軍初登板を予定している奥川恭伸らにも期待はするが、彼らはまだプロで何の実績も残していない。期待はできても、戦力として計算はできないのが現実だろう。

 この“血の入れ替え”とも言える戦力外通告は、果たして功を奏すのか――。即効性はないかもしれないが、答えは来季以降にしか出ない。

【退団選手】※11月4日時点
五十嵐亮太投手(引退)
中澤雅人投手(引退)
井野卓捕手(引退)
イノーア投手(退団)
近藤一樹投手(戦力外通告)
山中浩史投手(戦力外通告)
山田大樹投手(戦力外通告)
平井諒投手(戦力外通告)
風張蓮投手(戦力外通告)
田川賢吾投手(戦力外通告)
ジュリアス育成投手(戦力外通告)

【ドラフト指名選手】
1位 木澤尚文[慶大/投手]
2位 山野太一[東北福祉大/投手]
3位 内山壮真[星稜高/捕・内野手]
4位 元山飛優[東北福祉大/内野手]
5位 並木秀尊[獨協大/外野手]
6位 嘉手苅浩太[日本航空石川高/投手]
育成1位 下慎之介[健大高崎高/投手]
育成2位 赤羽由紘[BCL信濃/内野手]
育成3位 松井聖[BCL信濃/捕手]
育成4位 丸山翔大[西日本工大/投手]

文=依田真衣子 写真=榎本郁也
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング