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12球団監督の平均就任期間最長・最短はどこ?

 

 巨人は、川上哲治監督のV9時代や、原辰徳監督が10年率いた第二次政権時代など、一人の監督が長期間率いるイメージの強いチームだ。ほかには、最近のソフトバンクも長期政権という印象がある。では、監督の平均就任期間が最も長いチーム、短いチームはどこなのだろうか?

球界の盟主が就任期間も最長


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 今回は、2リーグ制となった1950年から現在まで(楽天は2005年から)、各チームの歴代監督就任期間を調べ、その平均をまとめてみた。

 現在就任中で、2020年11月6日時点で退任が報じられていない監督は、その分就任期間を引いて計算。例えば、巨人の場合は原監督が2019年から2シーズン率いているため、現在までの71シーズンから2を引いた69シーズンを、これまでの延べ監督人数で割る形で計算した。

 監督の平均就任期間の長い順は以下のとおり。

第1位 巨人……約6.27年(69シーズン、就任監督数:11人)
第2位 ソフトバンク……約5.90年(65シーズン、就任監督数:11人)
第3位 西武……約4.18年(67シーズン、就任監督数:16人)
第4位 広島……約3.88年(70シーズン、就任監督数:18人)
第5位 オリックス……約3.28年(69シーズン、就任監督数:21人)
第6位 ヤクルト……約3.04年(70シーズン、就任監督数:23人)
第7位 中日……3.00年(69シーズン、就任監督数:23人)
第8位 日本ハム……約2.95(62シーズン、就任監督数:21人)
第9位 ロッテ……約2.72年(68シーズン、就任監督数:25人)
第10位 阪神……約2.55年(69シーズン、就任監督数:27人)
第11位 DeNA……約2.36年(71シーズン、就任監督数:30人)
第12位 楽天……約2.14年(15シーズン、就任監督数:7人)
※就任監督数は延べ人数

 やはり最長は巨人で約6.27年。1950年以降の69シーズンで11人が監督を務めているが、1シーズンで退団した監督はおらず、いずれも2年以上となっている。また、今回は延べ人数だが、再任を含むと69シーズンでわずか8人と、監督就任人数が12球団で最も少ない。現在の原監督もそうだが、一度退いた後に再び監督に起用されるケースが多い。またすべて生え抜きというのも特徴だ。

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 巨人に次いで長いのがソフトバンク。南海時代にはプロ野球史上最多勝監督でもある鶴岡(山本)一人が19年(1リーグ時代を含むと23年)の長期政権を築いた。加えて、ダイエー・ソフトバンク時代にまたがって王貞治が14年チームを率い、後を継いだ秋山幸二も6年間、現在の工藤公康監督もすでに6年目と長期政権になりつつある。

 西武は約4.18年でTOP3入り。三原脩中西太が長期政権を築き、1980年代〜1990年代は森祗晶が長くチームを率い、チームの黄金期を作り上げた。最近でも渡辺久信が6年、現在の辻発彦監督も2020年で4シーズン目と比較的長く率いる傾向にある。

 一方、就任期間が短いチームに目を向けると、最下位は楽天で約2.14年。ほかのチームと比べて歴史が浅というのもあるが、チームの方向性が頻繁に変わっていることも影響しているのか監督の交代頻度が高い。現在の三木肇監督を除くと過去7人が楽天を率いたが、このうち4人が1年で退団している。

 ブービーはDeNAで約2.36年。就任監督人数は12球団で最多の30人だ。約2.55年で第10位の阪神もそうだが、長く低迷する時期が何度も訪れるチームは監督交代頻度が高くなるため、当然ながら就任期間も短くなってしまうのだ。

 監督の平均就任期間最長は巨人、最短は楽天いう結果になった。巨人は予想どおりではあるが、阪神やDeNAではなく、楽天が最下位とは思わなかった人も多いのではないだろうか。とはいえ、楽天はまだ歴史の浅いチーム。今後長期政権が生まれることも考えられる。そうなると監督の平均就任期間で一躍上位に食い込む可能性もあるだろう。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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