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中日の2020準MVPは33歳の背番号33

 


 2020シーズンが終わった。中日は3位でフィニッシュし、8年ぶりのAクラス入りを果たした。序盤は最下位に低迷していたことを考えれば、後半戦の巻き返しは見事だった。

 チームMVPを挙げるなら、大野雄大で異論はない。エースの勝ち星とともに、チームも浮上していった。しかし、もう一人、MVP級の活躍をした選手がいることを忘れてはならない。中継ぎ右腕の祖父江大輔だ。

 抜群の安定感だった。自己最多の54試合に登板して2勝0敗3S28Hで防御率は1.79。チームメートの福敬登とともに30HPで最優秀中継ぎ賞に輝いた。シーズンを通しての一軍完走は意外にも初。プロ7年目は最高のシーズンとなった。

 祖父江で思い出すのは昨年オフの契約更改だ。入団以来6年連続で30試合以上の登板も、まさかのダウン提示。「ここ数年の登板数を評価してほしい」と怒りの保留に、ダルビッシュ有(カブス)もSNSを通じて疑問を呈し、大きな話題を集めた。

 今年の活躍はその悔しさもあったはずだ。しかし、気持ちだけで勝てるほどプロの世界は甘くない。得意のスライダーに加えてシュートも習得し、投球の幅が広がった。今年引退した吉見一起を思い出させる制球力。キレ味鋭いスライダーをコーナーに決め、打者を翻弄した。

 中継ぎというポジション上、50回3分の1と規定投球回には達していないが、防御率では1.82の大野雄をわずかながら上回っている。

 地元生まれの地元育ち。愛知高、愛知大、トヨタ自動車という経歴から、26歳にしてプロの世界に飛び込んだ。14年のドラフト5位だが、中日のドラ5は当たり順位と言われている。古くは山本昌井端弘和がそうで、大島洋平阿部寿樹もドラ5の選手だ。

 気になるのはオフの年俸提示だ。今年の年俸3500万円(推定)から、どれだけのアップとなるだろうか。ダルビッシュのコメントも楽しみに待ちたい。

写真=BBM
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