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初の本塁打王獲得も浅村栄斗が悔しさをにじませる理由とは

 

今季、32本塁打を放ち初のタイトルを獲得した浅村


 週刊ベースボール別冊のパ・リーグ総集編で、楽天浅村栄斗にインタビューをした。120試合と試合数が減る中でも32本塁打、104打点と活躍し、自身初の本塁打王を獲得。だが浅村の表情は晴れなかった。それは自身の成績と比例するように後半失速したチームが4位に終わったからだ。「目に見える数字はすべて前半のおかげ」と悔しさをにじませる浅村の、インタビューには収めることができなかった本音とは……。

「前半のイメージが強過ぎて後半は何かしたかな? と思うくらい、まだ今は悔しさしか残っていないですね」

 開幕から打ちまくった。6月は10試合で4本塁打、15打点、7月は9本塁打、27打点。その勢いは50本塁打ペースとの報道もあったほど。そしてその勢いに押されるようにチームは開幕ダッシュに成功した。だが10月に入ると浅村は月間4本塁打、14打点にとどまり、チームも4位に後退してしまう。「試合が終わってから一人で悩むこともいっぱいあるし、どうやったら勝てるのかとか、すごく今年もいろいろ考えて、もやもやしながらやっていましたね」。

 チームを優勝に導くためにFAで楽天にやってきたからこそ、「自分が打てなくてもチームが勝てば良かったと思えるし、たとえ自分が出られなくても勝てば優勝に近づく」と考えるようになった。もちろん自分が打ってチームが勝つことが一番だ。だが、チームが勝てるのならば自己犠牲も厭わない。楽天に入団してから「このチームで勝ちたい、このメンバーで勝ちたい」という気持ちはより強くなったという。

 責任感が強いからこそ悩み苦しむのだが、だからこそ、浅村が打てばチームは勢いに乗る。わずか2年でチームからもファンからも愛され、頼られる存在となった。悩める主砲が充実感に満ちた笑顔を見せるのはチームが優勝したときだけだ。来季こそその笑顔が見られるだろうか。監督が代わり、11月16日からチームは再始動した。だが浅村の存在感が薄れることはない。来季もそのバットでチームを勝利へ導くはずだ。

文=阿部ちはる 写真=BBM

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