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セ・リーグ6球団 来季の奮起を望みたい選手は誰?

 

読売ジャイアンツ



 不運の連続だった。今季開幕戦(6月19日、対阪神、東京ドーム)で先発マスクをかぶり、菅野智之とバッテリーを組んで球団通算6000勝に貢献した小林誠司だったが、開幕3戦目に左手首に死球を受けて左尺骨を骨折し、早々に長期離脱。リハビリと二軍での調整を経て約3カ月後の9月中旬に一軍復帰するも、すでに正捕手の座には大城卓三が就いており、自身の打撃不振もあって10月18日から二軍で再調整となった。この直後の二軍公式戦で今度は右手人差し指を負傷。結局、今季の出場試合は10試合にとどまり、日本シリーズの登録メンバー漏れ。ケガは不運ではあったが、原辰徳監督は「野球選手じゃない」「職場放棄」と厳しい言葉で評しており、来季は厳しいポジション争いの中で、信頼回復に向けた1年となる。

阪神タイガース


阪神・岩貞祐太


 今季、7勝3敗8ホールドを挙げている岩貞祐太。数字的には貯金をつくっているが、本来なら先発として10勝はできる力がある投手だ。先発として開幕を迎えた。8月まで2勝2敗で防御率も3点台半ばと悪くはなったが、チーム事情もあり中継ぎに配置転換に。後半戦には需要な場面でのリリーフとして力を発揮した。しかし、本来なら先発ローテーションの一角として、また左腕エースとして1年間投げ切ることができる投手。来季はもう一度、開幕からフルで先発を守り切り2ケタ勝利を目指してほしいところだ。

中日ドラゴンズ



 8年ぶりのAクラスを果たした今季の中日。シーズン前半の低迷が嘘のように、後半は勝ち星を重ねた。前半低迷の要因のひとつはつながらない打線であり、なかでも平田良介の打撃不振は深刻だった。開幕から二番に座ったが、なかなか快音が聞こえない。与田剛監督も辛抱強く起用したものの、開幕から1カ月後に二軍へ。67打数11安打の打率.164では無理もなかった。昇格後の9月には通算1000安打に到達したが、開幕前に「あと17安打」まで迫っていたことを考えれば遅すぎる達成だった。責任感が強い選手だけに今季の成績は不本意だろう。得点力不足のチームにあって長打力もある平田の存在は欠かせない。まだ32歳。来季の巻き返しに期待したい。

横浜DeNAベイスターズ



 プロ入り6年目にして初めて味わう挫折と言っていいだろう。多少の紆余曲折はあったにせよ、山崎康晃は入団からクローザーの座を守り、2年連続でセーブ王のタイトルを手にしてきた。しかし、今季は立て続けにセーブを失敗。中継ぎに配置転換後も調子は戻らず、10月に二軍降格が命じられた。生命線だった真っすぐの球威、宝刀ツーシームのキレも今一つで打者に見極められる場面が多かった。自身のパフォーマンスを見直し、もう一度クローザーの地位に返り咲きたい。

広島東洋カープ



 広島では、来季7年目を迎える2014年秋のドラフト1位の野間峻祥だ。18年には規定打席にも達し、打率.286と優勝に貢献したが、昨年後半から定位置を失い、今季はまた代走、守備固め要員という、昔の立場に戻ってしまった感がある。しかも、今季は大盛穂宇草孔基といった、若い左打ちの俊足外野手がそれぞれに可能性を感じさせる活躍を見せており、将来の定位置争いへの展望も険しさを増しつつある。課題は何と言っても打撃。今季はバットを寝かせたり、重心をかける位置を変えたりと試行錯誤したが、結局、打率は.240にとどまった。なんとか打撃でひと皮むけ、「ベンチに置いておいた方が使い勝手がいい選手」という立場を脱出したいところだ。

東京ヤクルトスワローズ



 FA権を行使せず、残留が決まった山田哲人に期待したい。2015、16、18年と、史上初で唯一のトリプルスリーを3度達成した男だが、今季は上半身のコンディション不良などで16年以来の登録抹消を経験するなど苦しんだ。12本塁打、8盗塁、打率.254と、本来の姿ではない。今季、FA権を取得したが、7年35億円とも言われる超大型契約で残留を決めた。背番号「1」の“ミスタースワローズ”には、これからもチームの顔にふさわしい成績を期待したい。

写真=BBM
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