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2020都市対抗野球大会

都市対抗野球大会で使用されている公式球の秘密とは?/JABA公式サポ・豊島わかなの熱視線!

 

11月22日から12月3日までの12日間、東京ドームで開催される第91回都市対抗野球。週刊ベースボールONLINEでは、同大会にまつわるさまざまな情報や知られざる秘話を『JABA公式サポーター』が日替わりで発信していきます。本日は豊島わかなさんです。

大会前日と6日目に検査


 11月22日からスタートした都市対抗野球大会。2回戦に突入し、大会はますます熱を帯びています。さまざまなドラマが日々繰り広げられていますが、今回は選手たちが試合で使う「公式球」についてご紹介します。

都市対抗で使用されている公式球


 都市対抗野球大会で使用する公式球は、毎年大会の前日と大会6日目に使用予定のボールすべての検査を実施します。重さの計測(141.7グラム〜148.8グラム)、周囲の計測(22.9〜23.5センチ)をし、試合で使用ができるかの最終確認をします。例年でしたら、この作業は15人くらいで2時間ほどかけて行っているそうですが、今年はコロナ禍ということもあり、半分の8人で検査を行いました。

大会中に公式球の重さの計測をするなど検査を行う


「全部で120ダース分のボールを検査します。会社内での厳しい検査に通ったもののみ球場検査に持ってきているので、検査に引っかかるボールの数は1〜2球と極めて少ないです。少しの誤差でプレーに差がつくので、検査中は神経を使いますね」

 そう話すのは、自身もプリンスホテルでプレーをしていた、株式会社イソノ運動具店の山下修一さんです。野球部を引退後、プリンスホテルで営業を行い、現在はイソノ用具店の営業部長を務めています。

株式会社イソノ運動具店の山下修一さん


「都市対抗では全部で11社のボールが用意されています。会社が違えばボールの“顔”も違います。特に投手は握るだけで会社の違いが分かり、好みのボールもあるそうです。だから試合中に、自社のボールを握った選手が『変えてくれ』と球審にサインを出している姿を見ると、ドキッとしますね。よく交換されるボールは、改善点がないか調べるために保管しています」

都市対抗野球大会では11社の公式球が使用されている


 選手と近い距離で仕事をしている山下さん。そのため、都市対抗にかける想いは強く、「担当しているチームには気持ちが入りますね。あとは試合に励む選手たちを見ていると、自分もここでもっと活躍したかったな、といつまで経っても思います。ただ、社会人野球という貴重な経験があったから、今の仕事にも生かせていますし、良い提案につながっているんだと思います」。

 プレーをする選手たちだけでなく、裏で支える人たちの想いも詰まった都市対抗野球大会。優勝の証である黒獅子旗奪取に向けての熱い戦いは、まだまだ続きます。

公式サポーター日本野球連盟YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UC26D0n0-QuxyIghG0WqbN0A

PROFILE
豊島わかな(とよしま・わかな)
1986年12月14日生まれ。愛知県出身。2017年から日本野球連盟公式サポーターを務め、社会人野球の魅力を伝えている。
週刊ベースボール編集部

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