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パ・リーグ6球団 今季ドラフト1位は1年目をどう過ごした?

 

千葉ロッテマリーンズ



 実戦デビューは来季に持ち越し。最注目を浴びた最速163キロを誇る佐々木朗希だが、5月にシート打撃に登板して以降、公の場で、その投球を見せることはなかった。開幕から異例の一軍帯同で、吉井理人投手コーチの英才教育を受けて体づくりに終始。ブルペンで投球はしているとのことだが、グラウンドでは20メートル程度のキャッチボールにとどまった。当初はシーズン最終盤でのファームでの登板を経ての一軍デビューの予定もあったが、井口資仁監督が「状態がよくない」と明かすなど見送りに。とはいえ、5月のシート打撃では最速160キロを計測し、現在はさらに体も大きくなっており、寄せられる期待は変わらない。来季の実戦デビュー、待たされた分だけ楽しみは増している。

東北楽天ゴールデンイーグルス



「たくさん試合に出させてもらい、すごくいい経験ができました」。11月26日に契約更改を終えた小深田大翔は充実感をにじませた。年俸は1500万円から1800万円増の3300万円(金額は推定)。そのアップ額に見合う活躍を見せたルーキーイヤーだった。打率.288は2016年の茂木栄五郎(同.278)を上回る球団歴代新人野手の最高打率。マルチ安打34度は07年の渡辺直人の32を上回り、こちらも球団新人記録となった。課題を挙げるとすれば守備面で、7失策の中でも送球ミスが目立った。チームトップの17盗塁も、まだまだ伸ばせるはず。不動の遊撃レギュラーへの道は、始まったばかりだ。

埼玉西武ライオンズ



 今季は平良海馬に次ぐチーム2位タイの49試合に登板と奮闘した宮川哲。当初は勝敗がほぼ決したビハインドや大差のリードでの展開でマウンドに上がることがメーンだったが、徐々に勝敗を左右する要所での起用が増えていった。力強いストレートを軸に奪三振率9.07。2勝1敗13ホールドを挙げたが、十分に合格点を挙げられるだろう。本人も年間通して一軍にいられたことに対しては納得している。しかし、まだ満足感はない。得意のパワーカーブを磨いて、来季は開幕から勝利の方程式としてチームの勝利に貢献することを狙う。

北海道日本ハムファイターズ



 アマ球界No.1サウスポーの呼び声で入団し、ルーキーながら開幕先発ローテーション入り。河野竜生自身も「2ケタは勝ちたい。目指すは新人王」と意気込んでいたが、結果は3勝止まり。シーズン序盤こそ存在感を発揮したが、以降はスタミナ不足と要所での制球難に苦しんで自滅する場面も目立ち、夏場はファームでの再調整が続いた。それでも栗山英樹監督は「良いものを持っているのは分かっている。あとは本人が自分の課題とどう向き合っていくか」と期待を寄せる。チームに手薄な先発型左腕。持ち前の負けん気の強さで1年目の経験を力に代え、来季こそ本領発揮で大暴れする背番号28の姿を見たい。

福岡ソフトバンクホークス



 大卒、社会人出の同期が次々と一軍出場を果たす中、ドラフト1位の佐藤直樹は一軍昇格すらなく1年目を終えた。攻守走3拍子そろった即戦力外野手として、春季キャンプ、オープン戦と順調にアピールを重ねた。オープン戦での打率は.368、チームトップの5盗塁をマーク。確実に開幕一軍を視界にとらえていたが、新型コロナウイルスの影響で開幕が延期。自粛期間中に痛めていた右ヒジの状態が悪化した。リハビリを経て復帰した二軍でなかなか思うようなプレーができず。特に打撃面で壁にぶち当たった。それでも、武器である足ではウエスタン・リーグ盗塁王(20盗塁)を獲得するなど、悪いなりにも成長の跡を感じさせる。佐藤自身も「(調子が)悪いときだから見つけられるものもあるのかな」と前向きだ。1年目の経験を生かして、来季こそは一軍をつかんでみせる。

オリックス・バファローズ



 着実に成長している。高校左腕で唯一のドラ1指名を受けた宮城大弥は、開幕からファームで実戦登板を積んで6勝をマーク。ウエスタン・リーグの最多勝に輝いた。結果だけではない。ストレートの最速は3キロ増して153キロとなり、投球の幅を広げるためにフォームも習得。苦手だった左打者の内角への制球力向上のため、打者の左右に応じて投球板の一、三塁側を踏み変えるなど、技術の向上も著しい。一軍でも3試合に先発し、11月6日の日本ハム戦(京セラドーム)では5回3失点でプロ初勝利。U-18W杯でチームメートでもあった、佐々木朗希(ロッテ)、奥川恭伸ヤクルト)らよりも先に一軍デビュー&初勝利も手にした。さらなる飛躍が楽しみな左腕だ。

写真=BBM
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