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パ・リーグ6球団 今季の先発陣評価&来季の展望は?

 

福岡ソフトバンクホークス



 今季も開幕当初はなかなか先発陣に勝ち星がつかなかったものの、徐々に安定感は増していき、先発防御率3.11は12球団でトップ。エース・千賀滉大が投手3冠(最多勝、最優秀防御率、最多奪三振)に輝いたほか、石川柊太も最多勝、勝率第一位の2冠に輝いた。ほかにも東浜巨やベテラン・和田毅、新戦力では助っ人左腕のM.ムーア笠谷俊介らが台頭し、後半戦以降しっかりとローテを回せたこともチームにとっては大きかった。10月の12連勝中、先発に勝ちがついた試合は11試合。彼がきっちり試合を作ったことで、リーグVへの勢いは加速したと言える。来季も千賀、石川、東浜の3本柱が中心となる中で、気になるのはムーアの去就。後半戦だけで6勝、日本シリーズのノーノ―ピッチングとリーグV&日本一に大きく貢献した左腕だけに残留してほしいところだが、果たして……。

千葉ロッテマリーンズ



 野手は故障離脱が相次いだが、先発投手は種市篤暉が右ヒジを痛めて離脱したものの、ほぼ固定メンバーでシーズンをまっとう。楽天からFA加入した美馬学が3年ぶりの2ケタ勝利を果たして勝ち頭となり、開幕投手を務めた石川歩も初勝利こそ自身7試合目ながら、そこから6連勝で最終的に7勝を挙げた。二木康太は自己最多の9勝、2年目左腕の小島和哉もシーズンを完走して7勝、24歳右腕の岩下大輝も7勝と奮闘した。ただ、救援防御率3.30に対して先発防御率は4.07で、“逆転のロッテ”と呼ばれたように打線の援護での勝利があったことも確か。澤村拓一はFA宣言で去就が微妙も、唐川、益田らの救援陣は盤石だけに、先発陣がより奮闘すれば、悲願のリーグVもグッと近づくはずだ。

埼玉西武ライオンズ



 チーム防御率4.28と3年連続リーグ最下位となった投手陣。だが、リリーフ陣は2位・ロッテとの最大9ゲーム差から117試合目に単独2位に立つ原動力に。その半面、先発陣のチーム防御率はリーグ最悪の4.87と振るわなかった。先発のクオリティスタートは40試合、平均投球回は5.1回と、これらの数字もリーグ最悪。安心して球数を任せられる投手が少なかった。そのなかで高橋光成は自身初の規定投球回到達。8勝8敗と貯金をつくることはできなかったが、9月は5試合で防御率2.78、10月は4試合で防御率0.95と徐々に安定感がアップ。来季は高橋を中心に強固な先発陣を築きたい。

東北楽天ゴールデンイーグルス


楽天・涌井秀章


 リーグ5位のチーム防御率4.19にうち、先発は4.26、リリーフは4.06といずれも4点台に低迷した。ロッテから移籍の涌井秀章が11勝で最多勝に輝き、故障離脱もあった岸孝之が7勝負けなしと、個人の成績では光るものもあったが、チーム全体では振るわなかった。100点満点で50点は切らないまでも、60点が妥当なところか。特にエース・則本昂大の不調が大きな誤算だった。5勝7敗と負け数が上回り、その役割を全うすることができなかった。ルーキー・瀧中瞭太の台頭は数少ない光明の一つ。来季は新人左腕・早川隆久ら加わるため、新人による上積みには期待できそうだ。

北海道日本ハムファイターズ



 今季の先発陣は、有原航平、上沢直之バーヘイゲンがチーム最多の8勝をマーク。規定投球回に達したのは有原のみだが、左膝蓋骨骨折のケガから復活した上沢、来日1年目で日本野球に適応したバーヘイゲンがローテーションを支えた功績は大きい。自身最多の7勝を挙げた杉浦稔大、ルーキー・河野竜生も健闘したが、マルティネスの不振は誤算で先発防御率もリーグ4位と先発陣全体の成績は物足りず100点満点で60点か。有原のメジャー移籍の可能性もあるだけに、来季は先発陣の補強がチームの至上命題である。今オフ獲得したメジャー通算13勝左腕のロビー・アーリンら新たな先発候補に加え、FA権を行使したヤクルト小川泰弘の獲得にも乗り出す。

オリックス・バファローズ



 チーム防御率はリーグ3位の3.97。先発防御率も同3位の3.92と、まずまずの成績を残した。打線の援護が少なく、チーム最多勝は山本由伸の8勝(3敗)なのは寂しいが、開幕投手を務めた山岡泰輔が登板2試合目で故障離脱する中で、田嶋大樹がプロ初完封を含む4勝を挙げ、初の規定投球回に到達し、山崎福也も84回を投じるなど、先発ローテとして奮闘。ともに防御率は4点台も、離脱なくポジションを守り抜いたことは大きい。さらにドラ1左腕の宮城大弥もプロ初勝利を挙げるなど台頭しつつある。制球に苦しんだがポテンシャルは高い榊原翼や、プロ初登板を果たした本田仁海、プロ初勝利を手にした鈴木優ら、将来有望の投手は多数いるだけに、今季の経験を力に変え、来季は強固な布陣形成が期待できる。

写真=BBM
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