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菅野智之や大野雄大、防御率1点台の投手たちが今季苦戦したチームは?

 

 今季は巨人菅野智之が開幕戦から13連勝と快進撃を披露し、その勢いのままに最多勝を獲得。また、中日大野雄大は中盤戦以降の巻き返しで見事に沢村賞投手となった。ただ、こうしたトップ投手も常に順調だったわけではない。今回は、菅野や大野といった防御率1点台の先発投手を苦しめたチームを調べてみた。

菅野を苦しめたのは最下位ヤクルト?


今季、最多勝に輝いた巨人・菅野にも苦手チームはあった


 まずは開幕戦から13連勝でNPB記録を更新した菅野。今季はヤクルトDeNA、中日の3チームに対しては1度も負けていない。特に中日に対しては3試合で防御率0.00。つまり1点も取られていないのだ。被安打もわずかに9本とほぼ完ぺきに中日打線を抑えている。

 一方、今季の菅野が負けたチームが広島阪神。広島は10月13日、阪神は10月24日の試合での黒星だった。特に連勝ストップとなった広島戦は、狙い球を絞る相手打線を抑えられずに6回4失点。無敗のプレッシャーもあり、今季最も苦しんだ試合だった。1度も菅野に勝てていないヤクルトも、菅野相手4試合で9得点と奮闘したチームだ。対ヤクルト戦の菅野の防御率は3.28、被打率は.247でいずれも対戦した5球団でワーストの数字。展開次第ではヤクルトが菅野に黒星をつけ、連勝をストップさせていた可能性もあっただろう。

沢村賞投手も広島相手には苦戦


沢村賞に輝いた中日・大野雄も広島には苦しんだ


 沢村賞に選出された中日の大野は、11勝6敗と敗戦も少なくなかったが、防御率1.82と安定したピッチングでチームを支えた。今季はDeNA、ヤクルト相手には1度も負けておらず、DeNAに対しては1点も相手に与えずに3戦3勝と完璧だった。また、今季リーグを独走した巨人には2勝2敗だったものの、防御率は1.32、WHIPは0.68と強力な打線を見事に抑えた。

 安定した投球を続けた大野を苦しめたのが広島。今季は4試合に登板して1勝2敗と負け越し。トータル10失点で防御率は3.46だった。今季初対戦の6月26日の試合では4失点。6連続完投と絶好調で迎えた9月15日の試合も4失点を喫すなど相性は悪かった。菅野と同様に、大野もヤクルトにてこずっており、負けなしではあるが4試合で9失点。主軸に痛打される場面も目立ち、被本塁打は広島の5本に次ぐ4本となっている。

注目ルーキーを苦しめたDeNA打線


ルーキーながら10勝を挙げた広島・森下だがDeNAには1勝のみ


 菅野と大野というリーグトップの成績を誇る投手を苦しめた広島。そんな広島が擁するのが、今季プロ1年目ながらチームのエースとして君臨した森下暢仁。ルーキーとは思えない堂々としたピッチングで10勝3敗、防御率1.91と圧巻の数字を残した。特にヤクルト、中日、阪神相手には負けなしで、QS率も100%だった。

 反対に相性が悪かったのがDeNA。10月24日の試合では1失点完投勝利と相手打線を抑えたが、実はこれが今季のDeNA戦初勝利。対DeNAは5試合に登板して1勝2敗、防御率2.61。トータル12失点(自責点9)と打ち込まれた。森下が今季4失点以上した3試合のうち2試合がDeNAとの試合。特に9月4日の試合は3回5失点と苦しんだ。もしDeNA戦でも好投できていれば、防御率リーグトップもあっただろう。

 今季防御率1点台と圧巻の投球を披露したセの3選手だが、菅野と大野は広島、ヤクルトといった下位チーム相手に苦戦し、森下はDeNA相手だと本来のピッチングができなかった。来季はこうした苦手だったチームが「お得意さん」に変わるのだろうか。一流投手の「修正力」に注目したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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