高卒2年目でのデビューは上々だったといえる。
今季はルーキー年だった昨季と同様に多くの時間をファームで過ごしたが、11月4日の
広島戦(マツダ広島)に中継ぎでプロ初登板を果たすと、同8日のヤクルト戦(東京ドーム)でプロ初先発。5回3安打1失点と堂々たるパフォーマンスを披露し、勝利投手の権利を持ったままマウンドを降りた。その後、チームが逆転を許したために初勝利こそ逃したものの、一軍首脳陣へ、十分なアピールとなったのではないか。
一軍2試合(先発は1試合)で防御率1.59、二軍7試合(先発は3試合)を1勝1敗、防御率3.48で2020年を終えた横川は、12月5日にジャイアンツ寮にて契約更改に臨み、50万円増の630万円でサイン。来季に向けて「シーズンを通して一軍に貢献すること。もっとレベルアップしないといけないと思っているので、体作り、技術向上を継続して、より一層意識を高く持ってやっていきたい」と決意を口にした。
18年に甲子園を春、夏連覇した大阪桐蔭高の一員で、190センチの長身から投げ込む角度をつけた威力ある真っすぐが持ち味。「結果的に抑えた形になりますが、見えない部分で課題がありました。そういう意味でも投げられて良かった」という一軍登板の経験も来季へ向けた財産となったことだろう。
また、今季9勝の
戸郷翔征は19年の同期入団で同級生でもあり、刺激を受ける存在。横川には先にブレークを果たした右腕の後を追いかけ、早い段階で一軍の先発ローテーション入りすることが期待される。
文=坂本匠 写真=BBM