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セ・リーグ指名打者導入で、素質開花の可能性がある選手は?

 

 セ・リーグで指名打者の導入を巡り、議論が持ち上がっている。今月14日に行われたセ・リーグの理事会では巨人が来季に指名打者制を暫定的に導入することを提案したが、見送られた。ただ、パ・リーグが最近10年間で9度の日本一とセ・リーグを圧倒している結果を見ると、指名打者制が一つの要因であることも否定できない。パ・リーグは一番から九番まで息の抜けない打線になり、その打線と対峙する投手のレベルも上がるスパイラルになっている。守備に難のある選手も指名打者でチャンスをつかめる可能性もある。各球団の戦い方も変わってくるだろう。セ・リーグで「指名打者」で素質が開花する可能性がある選手を探ってみた。

巨人・大城卓三


・巨人

 現状の戦力で考えれば、ウィーラーが指名打者の筆頭候補か。本職の三塁は岡本和真がいるため、楽天からトレードで途中加入した今季は4年ぶりに左翼、5年ぶりに一塁を守った。また、小林誠司炭谷銀仁朗を捕手で起用した際、打撃の良い大城卓三を指名打者で使える。石川慎吾北村拓己香月一也ら若手も打撃でアピールすれば出場機会が増えるだろう。


・阪神

 チームでも屈指の打撃技術を誇る原口文仁が最有力だろう。正捕手の梅野隆太郎がいるため、代打の切り札的な存在だが、主軸を打てる力を持っている。今年自己最多の8本塁打をマークした陽川尚将は守備が課題。自慢の打力を生かせる指名打者が導入されれば、ハマるかもしれない。


・中日

 今年7月に支配下昇格されたアリエル・マルティネスの打力を生かしたい。今季は39試合出場で打率.295、2本塁打、13打点。力強いスイングでミート能力も高く、四番も務めた。本職の捕手は木下拓哉がレギュラーに定着したため、ベンチを温める機会が多い。魅力十分の打力を生かせないのはもったいない。


・DeNA

 右の長距離砲・細川成也が面白い存在だ。昨季はイースタン・リーグで打率.318、13本塁打、53打点で本塁打王、打点王、最高出塁率(.448)を獲得。粗さはあるが飛距離は日本人離れしている。本職の外野だけでなく、指名打者で起用する選択肢が増えればブレークする可能性を十分に秘めている。


・広島

 勝負強い打撃が光るベテランの松山竜平だが、左翼と一塁の守備は不安定な部分がある。指名打者で打撃に専念できれば、さらなる活躍が期待できる。また、来季3年目の林晃汰も楽しみな若手だ。今季はウエスタン・リーグでチームトップの9本塁打をマーク。守備位置が一塁と三塁のため一軍で出場機会が限られたが、将来を嘱望される左の長距離砲だ。


・ヤクルト

 打撃に振り切った選手として、「きんに君」が愛称の中山翔太は魅力的だ。1年目の2019年は35試合出場で打率.289、5本塁打。今季は故障の影響もあり、29試合出場で打率.229、4本塁打と苦しんだ。外野の守備に不安があるが、長打力は大きな魅力。指名打者制が導入されれば、出場機会は間違いなく増えるだろう。

写真=BBM
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