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内川聖一は打率.378…現役選手のシーズン最多記録、各部門は誰がトップ?

 

 シーズン歴代記録を見ると、王貞治落合博満稲尾和久江夏豊といった球史に名を刻んだレジェンドの圧倒的な成績が並んでいる。では、こうした歴代の名選手の成績を除いた「現役選手のみ」で見た場合、各部門は誰がトップなのだろうか? 「現役選手のシーズン最多記録」をまとめてみた。

これからのNPBを背負い立つ若手の名前も……


横浜時代の2008年、打率.378のハイアベレージを残した内川


 まずはシーズン打撃の「現役トップ」から紹介する。
※2020年12月時点での所属選手

●打率:.378……内川聖一(2008年)

 シーズン打率の現役トップは、今オフにソフトバンクからヤクルトに移籍した内川。横浜時代の2008年に記録した数字だ。この年はシーズンを通して絶好調で、打率が4割を超えていた時期が何度もあった。

●出塁率:.469……柳田悠岐(2015年)

 シーズン出塁率の現役トップはソフトバンクの柳田。西武秋山翔吾との激しい首位打者争いを繰り広げた末に記録した。トリプルスリーも同時に達成し、大きな注目を集めた。

●本塁打:60本……バレンティン(2013年)
●長打率:.779……バレンティン(2013年)
●打点:131……バレンティン(2013年)

 現役選手のシーズン最多本塁打は、2013年に達成したバレンティンの60本。また、この年は長打率.779を記録しており、どちらも歴代最多記録だ。同年には歴代14位タイの131打点もマーク。これも現役選手の中ではトップの成績だ。

●安打:209本……青木宣親(2010年)

 シーズン最多安打は、青木が2010年にマークした209本がトップ。青木はプロ2年目にも当時のセ・リーグ記録を更新する202安打を放っているが、それから5年後に自己記録を更新する209安打をマークした。

●盗塁:53……糸井嘉男(2016年)、金子侑司(2016年)

 現役でのシーズン最多盗塁数は、阪神の糸井と西武の金子が持つ53盗塁がトップ。ともに2016年に記録した数字だ。今季は短縮シーズンながらソフトバンクの周東右京が50盗塁をマーク。来季、糸井と金子の記録を上回れるか期待したい。

2018年に130得点をマークした山田


●得点:130……山田哲人(2018年)

 シーズン得点は、3度のトリプルスリーを達成したヤクルトの山田哲人が現役最多。3度目のトリプルスリー達成となった2018年にマークした数字で、歴代でも藤村富美男と並んで3位タイという好記録だった。

●三振:村上宗隆……184(2019年)

 歴代通算では、おかわり君こと西武の中村剛也が1800三振でトップだが、シーズン記録ではヤクルトの若き大砲・村上宗隆が最多。プロ2年目ながら36本塁打を放ち、一躍トップ選手の仲間入りを果たした2019年にマークした。

●犠打:今宮健太……62(2013、2014年)

 ソフトバンクの今宮は2013年、2014年と連続でシーズン62犠打をマーク。歴代でも3位タイの数字で、現役ではもちろんトップだ。今宮は通算犠打も304で現役トップ。現在は長打を意識しているため犠打数は減っている(2020年は故障で出場機会が激減)が、歴代トップも目指せる数字だ。

●犠飛:中田翔……13(2018年)

 シーズン犠飛は日本ハム・中田翔が2018年にマークした13本が現役トップ。歴代でも最多の15本を記録した大杉勝男に次ぐ数字だ。今季も短縮シーズンながら9犠飛を放っており、今後歴代最多を更新できる可能性はある。

●四球:丸佳浩……130(2018年)

 シーズン四球数は巨人の丸が広島時代の2018年に記録した130が現役トップだ。広島時代には2018年だけでなく、2014年、2015年とリーグ最多四球を記録しており、それだけ恐れられる打者だった。巨人移籍後は前後を打つバッターが坂本勇人岡本和真ということもあり四球数は減っている。

歴代記録も並ぶシーズン投手成績


西武時代の2007、09年に11完投をマークした涌井


 次に、シーズン投手成績の「現役トップ」をまとめてみた。

●完投:11……涌井秀章(2007、2009年)

 今季11勝で最多勝のタイトルを獲得した楽天の涌井は、西武時代の2007年、2009年に11完投をマーク。今季は中日大野雄大が10完投を記録したものの、近年は完投数が減っており、2ケタ完投は珍しくなっている。

●防御率:1.54……チェン・ウェイン(2009年)

 阪神のチェンは中日時代の2009年に防御率1.54をマーク。最優秀防御率に輝いた。この数字は現役のNPB所属選手の中でトップ。現在、日本球界最高の投手といわれている巨人の菅野智之も、自己最高は1.59とチェンには及ばない。

●勝利:18……内海哲也(2011年)

 現役選手では、西武の内海の持つシーズン18勝が最多。巨人時代の2011年にマークした数字で、巨人の左腕が最多勝を獲得するのは、42年ぶりだった。ちなみに、歴代最多は稲尾和久とヴィクトル・スタルヒンが持つ42勝というとんでもない記録だ。

●敗戦:14……石川雅規(2017年)

 シーズン敗戦数は、ヤクルトの石川が2017年に記録した14敗が現役ではトップ。この年は本人もなかなか調子が上がらず、また打線の援護も乏しかったことから黒星が増加。5月24日の広島戦からはまったく勝てなくなり、11連敗でシーズンを終えることになった。

●ホールド:45……増井浩俊(2012年)
●ホールドポイント:50……増井浩俊(2012年)

 ホールドとホールドポイントのシーズン歴代最多は、どちらも元中日の浅尾拓也がマーク。現役選手では、オリックスの増井が日本ハム時代の2012年にマークした45ホールド、50ホールドポイントが最多。この年は最優秀中継ぎ投手のタイトルも獲得している。

●セーブ:54……サファテ(2017年)

 ソフトバンクのサファテは2017年にシーズン最多記録を更新する54セーブをマーク。救援失敗はわずかに1度のみ。防御率も1.09と圧巻の一年だった。

●勝率:.875……菅野智之(2020年)

 シーズン勝率は、巨人の菅野が持つ.875が現役では最高。開幕投手から13連勝という驚異的な成績を残した今シーズンにマークしたものだ。歴代最高は1.000、つまり無敗で、2013年の田中将大など計4人が記録。菅野も無敗でシーズンを終えることが期待されたが、残念ながら達成できなかった。

2019年に227奪三振をマークした千賀


●奪三振:227……千賀滉大(2019年)

 現役選手のシーズン奪三振数トップは、ソフトバックの千賀が昨季マークした227個。奪三振といえば、5年連続で「最多奪三振」のタイトルを受賞した楽天・則本昂大がいるが、則本は2017年の222個が自己最多。松坂大輔も2005年に226奪三振を記録しているが、昨季の千賀は見事にこれらを上回った。

●登板:81……平井克典

 シーズン登板数は西武の平井が2019年に記録した81登板が現役トップ。これは歴代トップの90登板(久保田智之が記録)に次ぐ数字だ。来季は先発に本格転向するために登板数の更新はないだろうが、今度は先発記録に挑戦してもらいたい。

 現役選手のシーズン最多記録をまとめてみた。柳田やバレンティン、菅野などおなじみの名前も多く挙がったが、ヤクルトの村上などまだプロ歴の浅い選手の名前があるのは面白いところ。特に三振数はスラッガーの証ともいえる指標でもあるので、ぜひ球史に残る名打者に成長してもらいたい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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