週刊ベースボールONLINE

編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

さらなる補強に期待!2021年DeNAの戦力事情

 

2020年、DeNAは67人で開幕を迎え、戦力補充をすることなくシーズンを終えている


 2020年も残りわずか。選手の移籍や各球団の補強は一段落といった時期である。オフの動きを振り返ると、セ・リーグでは巨人がDeNAの投打の主力である井納翔一梶谷隆幸をFAで獲得。大黒柱の菅野智之のメジャー移籍の可能性もあり、確実に新戦力を確保した。

 巨人以上に活発だったのが阪神で、韓国最多勝右腕のアルカンタラ、同じく韓国リーグ打撃タイトル2冠のロハスJr.を獲得。さらにはロッテを自由契約となった左腕のチェン・ウェインと契約を結んだ。中日も新助っ人に加えて福留孝介が14年ぶりに古巣へ復帰。何より沢村賞のエース・大野雄大の残留が大きい。最下位に沈んだヤクルトも戦力の拡充に必死だ。

 そんな中、今ひとつ動きが鈍いのがDeNA。井納、梶谷がそろって抜け、長年チームを支えてきた野手のロペス、中継ぎで献身的な働きを見せていたパットンがチームを去った。現存戦力も手術明けの今永昇太東克樹を先発として勘定するには、不安が残る状況だ。

 にもかかわらず、今オフの補強は元ツインズの右腕・フェルナンド・ロメロ、ヤクルトを自由契約となった風張蓮を獲得。FAの人的補償として巨人から田中俊太の加入にとどまっている。育成契約の長身右腕・シャッケルフォードは、トミー・ジョン手術からの回復次第では早期の支配下契約が予想されるが、それでも選手層の薄さは否めない。

 現時点でDeNAの支配下選手は合計65人。原則最大70人の登録枠に対して多少の余裕を残してシーズン開幕を迎えるとしても、新たな選手を迎える余地はある。当然、フロントは外国人選手を中心に戦力獲得に奔走しているだろう。

 開幕後の補強もポイントとなる。2020年、巨人はシーズン途中にトレードで加入したウィーラー高梨雄平がリーグ2連覇の原動力となるなど補強の手を緩めなかった。一方で、4位に沈んだDeNAは12球団で唯一、開幕以降の新加入&新規支配下登録なくシーズンを終えている。

 エース左腕の予期せぬ離脱、絶対的守護神のまさかの不振、助っ人外国人のケガはいつでも起こりうる。それを乗り切るバックアップ態勢、選手層の厚みなくしてはAクラスに食い込むことはできない。選手の成長、チーム力の底上げを目指しながらも効果的に外部の“血”を取り込んでいった先に、23年ぶりのリーグ制覇が見えてくる。
文=滝川和臣 写真=井田新輔
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング