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「15勝以上できる」小宮山監督がかける楽天1位・早川隆久への期待と金言

 

真のプロフェッショナルへ


ドラフトで4球団競合の末、楽天へ1位で入団した早川


 第20代監督として2019年1月1日から母校を指揮する早大・小宮山監督は、初めて教え子をプロ球界へと送り出す。昨年10月26日のドラフトにおいて、12球団同時入札で4球団が1位競合した楽天・早川隆久だ。

「先発ローテの3、4番目にすぐ入れるチームであれば相当、楽しみです。打線の援護に恵まれれば、15勝以上できる」

 指揮官はプロ1年目を、こう展望した。

 小宮山監督はNPB通算117勝で、MLBのマウンドも経験している。「元プロ」「元野球評論家・解説者」の目は確かだ。実績はさることながら、44歳まで現役を続けた「自己管理能力」も見逃すことはできない。ユニフォームを着ている間、ストイックな日常を貫いてきた。すべては、野球のため。グラウンド外でも、自らに厳しく動く。それはプロとして、当然のことだという。

「誰から何を言われても、間違っていないと言い切れる生活を送ってきた。自己責任。オレはすべて責任を取れる行動をしてきた」

早大・小宮山悟監督は今秋の東京六大学リーグ戦で10季ぶりの46度目の優勝へ導いた。Vを決めた慶大2回戦後の場内インタビューでは、こみ上げるものを抑えられなかった(写真=田中慎一郎)


 主将でもあった早川は、8月開催の春季リーグ戦で1勝を挙げると、秋は6勝と、最終学年を無敗で終えた。特に秋は防御率0.39、奪三振率14.48と圧巻の投球を披露。ラストシーズンにして、自身初のリーグ優勝の原動力となった。文字どおり、エースとしてチームをけん引したのだ。小宮山監督は「本物になった」と、その実力を認める。しかし、プロの先輩として、あえて「金言」を授けた。

「誰も見ていない時間に、自分を律することができるか。神様が、すべてを見ている。あとは、本人が見ている。ここですよ。些細なことも、突き詰めてやるようにならないと、人としてはダメだと思います」

 周囲の目があるときと、一人の空間。そこに「差」が生まれては、真のプロフェッショナルとしては失格だ、と。いかに自分に厳しくできるかが、成功のカギだと語る。

「研究心が旺盛ですし、試行錯誤することも苦にしないので、問題ない」と、あらためて太鼓判を押す小宮山監督。早川は木更津総合高(千葉)時代から試合を逆算し、計画的に物事を進めるルーティンを大事にしてきた。早大での4年間で、さらにグレードアップされた印象だ。恩師からの言葉を胸に刻み、プロの世界へと飛び込んでいく。

文=岡本朋祐
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