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【12球団分析】下位指名もチャンスあり! 今年のルーキーの新人王候補は

 

 新人王はプロ野球人生で1度しか獲るチャンスがないタイトルだ。昨年はセ・リーグが広島森下暢仁が10勝3敗、防御率1.91と期待以上の成績で受賞。パ・リーグは3年目の平良海馬が54試合登板で1勝0敗33ホールド1セーブ、防御率1.87で選ばれた。下位指名、育成出身の選手が新人王を獲得したケースもあるだけに、どの選手にもチャンスはある。今年のルーキーの新人王候補を各球団で挙げてみた。


阪神 
佐藤輝明(近大) ドラフト1位

 球界を代表するスラッガーになれる可能性を秘めた長距離砲。関西学生野球リーグ新記録の通算14本塁打を放った。足も速く、スケールの大きなプレースタイルはソフトバンク柳田悠岐を彷彿とさせる。本塁打の観点で言えば本拠地の甲子園は浜風が吹くため、左打者は不利とされているが自慢のパワーで切り裂けるか。攻守走でチームの中心選手に。

巨人 
平内龍太(亜大) ドラフト1位

 最速156キロの直球と落差のあるスプリットが武器。昨年3月に右ヒジ手術後に投球の精度がさらに高まった。先発、救援どちらもできるが、右ヒジの負担を考慮して先発で起用される可能性が高い。開幕から先発ローテーションに入って結果を残し続ければ、おのずと新人王も見えてくるだろう。

中日 
三好大倫(JFE西日本) ドラフト6位

 新人王の「大穴」。三本松高では最速144キロの直球に加え、高校通算26本塁打と「二刀流」で活躍。JFE西日本で3年目までは投手だったが、4年目から野手に転向した。力強いスイングで俊足、肩も強く身体能力が高い。外野のレギュラー争いに加わる可能性は十分ある。

広島・栗林良吏


広島
栗林良吏(トヨタ自動車) ドラフト1位

 競合覚悟も単独で1位指名できた。スリークォーターから最速153キロの直球に加えてカーブ、カットボール、フォークの質も高い。打者を見て駆け引きする術も持ち合わせ、総合力で言えば今年の新人投手ではNo.1だろう。昨季は森下が新人王を獲得。広島から2年連続で新人王獲得を狙う。

DeNA 
牧秀悟(中大) ドラフト2位

 大学3年で大学日本代表の四番に座った強打者。広角に長打を放つ姿は同じ二塁手の楽天浅村栄斗をイメージさせる。スカウトの中では「新人の中で牧はプロの球への対応力が早いのではないか」という見方が多い。二塁はレギュラーが固定されていないだけに、定位置獲りのチャンスだ。

ヤクルト 
元山飛優(東北福祉大) ドラフト4位

 球団の“レジェンド”宮本慎也の背番号「6」を引き継いだ好守好打の遊撃手。広い守備範囲を誇り、強肩かつ送球は安定している。佐久長聖高、東北福祉大で主将を務め、チームを引っ張る将来のチームリーダーとしても期待される。昨年に正遊撃手を務めたエスコバーが退団。遊撃手のレギュラーを獲りたい。

楽天・早川隆久


楽天 
早川隆久(早大) ドラフト1位

 新人王の最有力候補。左腕から直球は150キロ以上を計測し、縦と横の2種類のスライダー、カーブ、チェンジアップ、ツーシームと多彩な変化球で制球力も抜群に良い。強心臓でピンチにも動じない。1年目から先発ローテーションで2ケタ勝利できる逸材で、楽天の今後を背負う左腕だ。

ソフトバンク
中道佑哉(八戸学院大) 育成ドラフト2位

 支配下のドラフトで1〜5位まで全員高卒を指名したソフトバンク。5選手は二軍で肉体強化からスタートするために1年目で新人王は現実的でない。そこで注目は育成ドラフト2位の中道だ。打者から腕の出どころが見えにくい変則フォームの左腕で、内角を果敢に突く直球は威力十分。ソフトバンクの救援陣は層が厚いが、早い時期に支配下登録されて一軍でチャンスをつかみたい。

ロッテ 
小川龍成(国学院大) ドラフト3位

 守備が持ち味の大学No.1遊撃手。軽快なグラブさばきと広い守備範囲に加えて捕ってから送球までのスピードも速く、「プロで今すぐ通用する」とスカウトの評価が高い。目指す選手像は卓越した守備能力で活躍した球団OBの小坂誠か。打撃もミート能力が高く、俊足でまだまだ伸びしろがある。


西武 
佐々木健(NTT東日本) ドラフト2位

 左腕から150キロを超える直球が武器の本格派左腕。インステップするフォームからスライダー、チェンジアップ、カーブを交えて三振奪取率も高い。西武は先発、救援とも左腕が不足しているので救世主になれるか。富士大は山川穂高外崎修汰多和田真三郎と先輩たちが活躍しているので続きたい。

日本ハム 
古川裕大(上武大) ドラフト3位

 強肩強打の大型捕手。スイングスピードが速い左の強打者でリーグ戦通算12本塁打を放ち、変化球への対応にも優れバットコントロールにも長けている。守備力もアマチュアトップレベルで強肩とブロッキングに定評がある。元巨人・阿部慎之助を目標に掲げ、1年目から正捕手獲りに燃える。

オリックス 
阿部翔太(日本生命) ドラフト6位

 今ドラフト新人最年長の28歳で入団した右腕。日本生命では右肩痛から復活してエースに。バランスの取れた140キロ後半の直球で打者の懐を突く攻撃的な投球が身上で、フォーク、カットボール、スライダーの質も良く即戦力右腕だ。妻子のためにも1年目から一軍でバリバリ活躍したい。

写真=BBM
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