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名門復活へ三カ条を打ち出した巨人・片岡治大コーチの兄である日大新監督

 

真正面から学生と向き合う


日大は1月17日に全体練習をスタート。同1日付で就任した片岡昭吾監督(中央)は、目標を提示した。主将の遊撃手・峯村貴希(左)と152キロ右腕・赤星優志(右)が中心となる


 名門復活への三カ条を打ち出した。

 日大は1月1日付で同大学OBの片岡昭吾監督が就任した。宇都宮学園高、日大を経て、JR東日本では9年プレーし、引退後は同社で7年コーチを務めた。社業に専念した2016年から母校・日大の練習を手伝い、18年4月にコーチ就任。09年秋からチームを指揮していた仲村恒一前監督の昨年末限りでの勇退に伴い、片岡氏の監督昇格となった。

 同氏は巨人片岡治大三軍野手総合コーチの兄(長男)。次男・健太さんも国学院大、卒業後は佐川急便(軟式)でプレーし、かつては「片岡3兄弟」として騒がれた。

 日大野球部は1923年創部で、東都大学リーグ一部優勝23度を誇る。中日京田陽太が4年生だった16年秋に戦国東都を25季ぶりに制すも、翌17年秋に二部降格。以降、3年は二部での戦いが続く。2年後に控える創部100年へ、就任1年目の新指揮官が練習始動日となった1月17日、3つの訓示を行った。

一、春二部優勝→入れ替え戦で一部昇格→秋一部優勝→明治神宮大会出場
二、日大野球部のプライド
三、部訓の「凡事徹底」

 本来は1月8日に始動するはずだったが昨年末、部内で新型コロナウイルスのクラスターが発生。全部員がPCR検査を受け、最終的に25人の感染者が出た。保健所からの指導により、陽性者と濃厚接触者の隔離期間を経て、この日の全体練習再開となった。

 片岡監督は一部復帰へ、投打のキーマンを挙げた。主将で1年春からレギュラーである遊撃手の峯村貴希(4年・木更津総合高)と152キロ右腕・赤星優志(4年・日大鶴ケ丘高)だ。2人とも「プロ志望」だが、指揮官はこう言う。弟が元プロ選手だけに、説得力がある。

「プロに行けばOK、ということではありません。活躍しなければ、生活ができないわけですから。プロに見合うだけの練習をして、お声がかかるような活躍が求められる」

 チームとしても、戦う以上は「結果」がすべてである。片岡監督は言う。

「仲村さん(前監督)は『卒業することが第一』と、細かい部分まで、学生を指導されていました。生活を含め、当たり前のことを当たり前にする。スポーツをやるからには、勝つことが一番です。そこを目指してやる。小言が多く、学生からすればうるさい存在かもしれませんが、小さいことを積んでいかないと、大きな問題が起きる。一つの注意に対して気づく選手が増えてくれば、勝ちに近づく」

「結果」に近道はない。学生と真正面から向き合い、コツコツと一日を過ごしていく。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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