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パ・リーグ6球団 優勝へ今季復活を期待したい選手は?

 

福岡ソフトバンクホークス



 ルーキーイヤーの2019年、チームトップの65試合に登板し、日本一に貢献。オフには侍ジャパンの一員としてプレミア12制覇も成し遂げた甲斐野央だったが、昨季はまさかの一軍登板ゼロに終わった。右ヒジ内側側副靱帯一部損傷で春季キャンプから出遅れ。自身の血小板を注入して組織修復するPRP注射による治療を行ったが、回復は一進一退を繰り返し、結局12月に手術に踏み切った。「濃い2年間だった」と振り返った右腕は、あらためてチームの層の厚さを痛感。「僕がいなくても、すごいピッチャーがどんどん出てくる。何としてもこの中に食い込まなければいけないと、強く思った」。3年目のシーズンに向けて力が入るのは、守るべき者が増えたからでもある。苦しいリハビリ期を支えてくれたパートナーと1月2日に結婚。「この街で頑張って、しっかり稼いでください」という新妻からのエールに、必ず応えてみせる。

千葉ロッテマリーンズ



 ソフトバンクからFA移籍1年目の昨季はオープン戦で打率.375とバットでアピールし、開幕延期となって迎えた6月の練習試合でも好調を維持していた福田秀平。ただ、最後の練習試合となった6月16日の巨人戦(東京ドーム)で右肩甲骨に死球を受けると、ソフトバンクとの開幕戦(PayPayドーム)は3三振。試合後に亀裂骨折が判明し、早々に離脱を余儀なくされた。その後にリハビリを経て復帰も、同時に荻野貴司の故障離脱で、実戦調整もままならない中での昇格を強いられ、万全の状態でシーズンを送ることができず。攻守走三拍子そろい、チャンスメーカーだけでなく長打力も秘める外野手。荻野、マーティン藤原恭大和田康士朗ら、ライバル多数の激戦区を勝ち抜き、移籍2年目こそ攻守で力になりたい。

埼玉西武ライオンズ



 やはり、“軸”がしっかりしていなければ強力打線の破壊力は半減してしまう。3年連続本塁打王を目指した昨季、右足首を痛めたこともあり、打撃を崩した山川穂高。四番を外れ、シーズンを完走することができずに終わってしまった。残った数字は打率.205、24本塁打、73打点。チームも3連覇を逃したが、やはり優勝を奪回するのは山川が本塁打王を取り戻す働きをすることが必要だ。まずは体の状態を万全にするためにキャンプはB班スタートとなる見込みだが、辻発彦監督は開幕時、「一塁・四番」に山川の名前が刻まれることを望む。相手を圧する力強いフルスイングを再び――。背番号3が復活のシーズンに挑む。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 不完全燃焼のシーズンに唇をかんだ。3年目の契約の1年目となった昨季は88試合出場にとどまり、ベンチスタートも多かった。新加入の鈴木大地が打撃好調で、主戦場の三塁から一塁に回ることも多く、バットが湿りがちだった銀次が押し出された形だ。2021年シーズンには中軸候補で一塁、外野を守るディクソンが加わり、強力なライバルとなる。チームでは青山浩二が引退し、2月33歳を迎える銀次は球団生え抜き最年長。「しっかり自分が先頭に立っていかないと」と意気込みを語る。チーム屈指のバットコントロールを取り戻し、レギュラーの座を奪還できるか。

北海道日本ハムファイターズ


日本ハム・金子弌大


 2019年にオリックスから移籍して3年目、金子弌大が背水の陣で臨む。昨季は自ら希望して中継ぎに回ったが、34試合に登板して1勝3敗、防御率5.11と不甲斐ない結果に終わり、年俸は1億8000万円から約80パーセント減となる3500万円にダウンした(金額は推定)。先発再転向を球団に申し出た今季は、沖縄・名護の自主トレで若手選手とともに汗を流している。「しっかり結果を残せるようにやる。1年間、一軍でしっかり投げたい」。38歳を迎えるベテランの向上心は変わらない。オリックス時代は沢村賞、2度の最多勝など輝かしい実績を誇るプロ17年目の右腕。ただ一つ、プロでやり残しているリーグ優勝と日本一へ向けて、再起を懸けたシーズンが始まる。

オリックス・バファローズ


オリックス・黒木優太


 再びブルペンを支えたい。2019年にトミー・ジョン手術を受け、昨季は育成契約となっていた黒木優太が今季、支配下登録に復帰。再び背番号54を背負う。2017年にドラフト2位で入団し、ルーキーイヤーから55試合に登板。2年目の18年も39試合登板とフル稼働を続けた右腕だけに、完全復活を遂げて勝ち継投入りが期待される。直球主体の強気の投球は同性の黒木知宏氏と同じで、背番号54も同氏の影響。吉田凌漆原大晟ら、救援投手も続々と若手が台頭して競争は激しくなっているが、2年ぶりとなる“魂の投球”を披露して再び働き場を勝ち取りたい。

写真=BBM
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