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野球の実力プラス、読む本からも感じ取れた楽天・早川隆久の“大物ぶり”

 

ブルペンで力強い球を投げ込んだ早川


 楽天のドラフト1位ルーキー・早川隆久が、1月18日に新人合同自主トレが始まってから初のブルペン入りをした。マウンドの傾斜との感覚を確かめるように、捕手を立たせたまま直球のみ26球。ブルペン入りのタイミングや球数など、予定どおりのペースだと語り、キャンプに向けて順調に調整を進めている。

 この日行われた監督・コーチ会議では、早川を含む即戦力投手4人の春季キャンプ一軍帯同が発表された。早川は「最低でも7割くらいの仕上がりでキャンプインしたい」とし、多くの注目が集まる中でも冷静さを忘れず自身のペースを貫いている。春季キャンプの一軍入りを決めても表情が緩むことはなく「ほっとした部分もあるとは思いますが、期待に応えないといけないという緊張感を常に持ちながら練習に取り組んでいる」と油断や甘えはまったく感じられない。

 毎年ルーキーの話を聞いている中で、大学、社会人出身の選手が「大人だな」と感じることはよくあるが、早川に対しては特に強く感じている。この日、驚いたのは春季キャンプ中の部屋での過ごし方を問われたときだ。「時間があったら本を読みたい」と話した早川だが、それは野球に関する本ではなく、税金に関する本だという。「野球をやるだけがプロ野球選手の仕事ではないと思っているので、そういう勉強も取り入れていきたい」と社会人としての自覚も十分だ。

 早大野球部の小宮山悟監督にも「セカンドキャリアも含めてお金を貯めることがプロ野球選手のひとつでもある」とアドバイスをもらったという早川。まだプロ野球選手としてのスタートを切ったばかりだが、セカンドキャリアのことまで見据えて勉強を始めたというのだから、その大物ぶりは野球に限ったことではなさそうだ。

「昨秋のリーグ戦のときの状態までもっていきたい」と開幕を見据え、焦ることなく調整を進めている早川。その実力はもちろん、大学卒業前とは思えないほどの大人なコメントにも今後注目していきたい。

文=阿部ちはる
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